お葬式って笑っちゃいけないけど

俳優の妻として、またモデルやヨガセラピストとしても活躍中の堀本陽子さん。飾らず、自然体でおおらかな性格の彼女の日常を切り取ったエッセイが大好評連載中!

今回は、お葬式独特の「笑っちゃいけない」雰囲気の中で、思わず笑ってしまいそうになる瞬間のお話。

先日、ちょっと遠い親戚のお葬式に参列してきました。

昔にしては珍しくうちの両親は共にひとりっ子のため親戚が少ないという事もあってか、冠婚葬祭が少ない家でした。

お葬式って、かなり非日常で、マナーを少しくらい間違ってもめでたいのでと笑って許される結婚式とは違い、ちょっとした間違いが「洒落にならない」雰囲気があるため、緊張度が高い気がします。

その反面、堪えれば堪えるほど変に笑いそうになってしまうタイミングもあり、口元だけ少し緩んでしまったりする時があります。 張り詰めた空気のなかで始まったお坊さんの読経の出だしの声が裏返ってしまった時とか・・・。


イメージ写真です

勿論、人の死は厳粛に受け止めるべき事であり、悲しみは伴いますが、故人はどのように思っているのでしょうか。

例えばミュージシャンが明るく音楽葬を行ったりしますが、一般的にも優しく微笑む遺影をを見ると、「そんなに泣かないで。」と言っているように感じる私です。

先日のお葬式では会場に向かう前の姉とのやり取りでこんなことがありました。

故人が姉の嫁ぎ先の関係の方だったため、時間や場所などの細かい詳細は、ラインで姉に確認していた私。

その中で、慌てていた姉は 「私、くじにでなあかんから。」とほぼ平仮名で送ってきたのでそれに対して私が 「え?クジ?そんなに火葬場混んでんの?」と、返してしまいました。

3年前の祖母の葬儀の際、大きな火葬場で、自分達以外の遺族も見かけたのを思い出し、火葬の順番がクジ引きなのかと本気で思ってしまったのです。

「9時!笑かさんといて!」と、速攻返信がありました。

9時に家を出なきゃいけないから今忙しい、という意味だったのですね。 周りにもご遺族がいらしたでしょうに間抜けな妹が笑かしてごめん、お姉ちゃん・・・。

厳かに行われたお葬式が終わり、近い親族は火葬場へ、それ以外の方は、霊柩車とそれに続く親族が乗ったバスと自家用車を見送ってお別れですとなった時、 なかなか出発しない先頭の霊柩車・・・次第に「何待ち?」的な空気に。

よく見ると姉が居ません。

あら?お姉ちゃん待ち?!と感じた私は旦那さんに駆け寄り、

「どうしました?」と聞くと

「車のキーを俺のコートに入れたままにしてきたから取ってきてって言ったら帰ってけえへんねん。」ということだったので

「えー!?私、見てきますよ!」

「いや、俺が行く!」

「なんで?私が行った方が。」

「いや、行く行く!」

と、会場地下駐車場から親族控室のある3階へのエスカレーターになぜか2人で乗り込みます。

3階に到着したら、多分一緒に鍵を探してくれていたであろう会場の係の方が、

「今降りて行かれました!」と。

うわー最悪やん、入れ違いによる更なるタイムロス!

せめてお義兄さんが地下に居たら私はお見送り組だから皆さまご出発できたのにー。

っていうか私が慌てて見に行くとか言わへんかったらもうちょっとでお姉ちゃん、戻ってきたのにー。 後で聞くと、私達が上に上がったタイミングで隣のエレベーターから鍵を持った姉が降りてきたそうで・・・

コントみたいになってるやん。

義兄のコートには会場スタッフの計らいで丁寧にカバーがかけられてしまわれていたため、姉がなかなか見つけられなかったと。 みんな、悪気はないんやけど・・・ほんま、皆様、お待たせしてすみませんでした。

3年前の祖母のお葬式でも色々ありました。

母方の祖母で私が生まれた時には、他の祖父母はすでに他界していたため、私にとって唯一のおばあちゃんで、物心ついた頃からは同居していたし、私が上京した際には半年ほど私の一人暮らし用のアパートで一緒に暮らした思い出があります。

私は自分が母という立場でお葬式に出席したことがなかったので、まず息子に何を着せたら良いかがわかりません。

おばあちゃんは96歳の老衰による大往生でしたが、危篤になってからはそんなに間がなく逝きましたので、葬儀は割と急な感じの日程になりました。

当時小学4年生の息子はサッカーやテニスをしていたせいか、アディダスやナイキの動きやすいスポーツウェアばかり着ていました。(着せていました)

スーツ?1回しか着ないのに勿体ないかなぁ・・・でももったいないと思うこと自体がなんかおばあちゃんに申し訳ないような・・・5年生やったら、卒業式で着れるサイズにするけど、今6年生サイズにするとぶかぶか過ぎておかしいし・・・とかこんな時に考えることがこれまた不謹慎?!

と、結局「割とちゃんとして見えるけどお手頃価格」のスーツを買いに行きました。


この時買ったスーツで後に出席した親戚の結婚式の写真(私も同じ服)

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わたし役者の妻で、モデルで、母です

堀本陽子

俳優の妻として、またモデルやヨガセラピストとしても活躍中の堀本陽子さん。最近では、バラエティ番組にも出演し、飾らず自然体で、実は、サバサバしていておおらかな性格が話題に。そんな堀本さんの日常を切り取ったエッセイが連載開始! 人気俳優の...もっと読む

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