考える教育で「思考力」をつけている子たちを見て思うこと

個人の生き方が多様化し、社会の変化も激しくなり、以前にも増して思考力、自分で考える力が求められています。その一方で、日本人はその力が弱い傾向にあるともいわれています。日本とマレーシアの教育を比較して、思考力を鍛える教育とは何かを考えます。

cakesで人気の幡野さんの人生相談に、こんな一説がありました。

さいきん、『AERA dot.』で「ほがらか人生相談」を連載している鴻上尚史さんとお会いしたんです*。鴻上さんもぼくもたくさんの人生相談に目を通しています、そこで悩む人の特徴の話になったんですが、結論をいうと思考力が弱いことなんです。
* お二人の対談を近日公開予定です。

誤解しないでね、バカにしているわけじゃないんですよ。でもそういう人は、ここで思考力が弱いとバカにされたと感じて、怒ったり落ち込んだりしてまた悩むのよ。鴻上さんもぼくも悩む人をバカにしているのではなくて、じゃあなんで思考力が弱いのかね?と次の疑問を考えます。

鴻上さんは学校教育が原因だと考えていて、ぼくは家庭教育が原因だとおもっています。鴻上さんもぼくも子どもの頃にうける教育が原因なのだと考えています。あなたはそのダブルパンチで、自分のやりたいことがわからない、思考力のない大人にされたんだとおもいます。

私も同感です。今日はマレーシアのインターナショナル・スクールで「考える」教育を受けている子たちを見て、思うことを書いてみます。


「相手の気持ちを考えなさい」という教育の裏にあるもの

日本で育つと、「相手の気持ちを考えなさい」って言われるシーンがあります。
食べ物の好き嫌いしてるだけで、「お百姓さんが悲しむでしょう!」「作った人の気持ちを考えて」と怒られます。
実はこれ、「考えなさい」というのは言葉だけで、「答え」はある程度決まってるのが日本の不思議なところです。
つまり気持ちや行動に「正解」があるワケです。

お母さんが「食べてもらえないのは辛い」というならともかく、相手が誰かもよくわからないのに「相手の気持ちを考えて」と言われ、「悲しむでしょう」「迷惑でしょう」という答えを押しつけられたら、子供は何も言えません。つまり、「迷惑かけないように」「相手の気持ちを考えて」は、実は思考停止のマジックワードなのです。中には、「死んだ人たちの気持ちを考えて」動けない人もいるようです。

息子がマレーシアのインターに来て、作文で自分の気持ちが書けるようになった!と言ってました。

例えば「運動会はつまらなかった」って日本だと、「準備した人たちの気持ちも考えなさい」って言われたりします。
けど、こちらでは「では、読んだ人を説得できるよう、論理を組み立てろ」って奨励されることが多い。

例えば、小学校で英国のブレグジットをどう思うか、を2派に分けて議論させたりします。賛成派と反対派が入れ替わったりするのが面白いです。

そして、書籍でも「批判的に読むこと」「疑問を持つこと」を奨励されます。
感想文に批判を書いても良いわけですし、先生を批判してもいいわけです。

真逆の環境ですが、良し悪しです。

こういう環境にいると、いろんなことに疑問を持ち、考えるようになります。

息子は算数の宿題に意味がないと言い出し、「宿題に意味はあるのか」と先生に直談判しに行ったこともあります。話し合いの末、先生は「わかった。では君はやらなくてよろしい。その代わり、その責任は自分で取りなさい」と言いました。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
怒らない力—マレーシアで教わったこと

野本響子

編集者・ライターの野本響子さんがマレーシアで暮らし始めて感じたのは、日本にくらべて驚くほど寛容なマレーシアの社会。「迷惑は掛け合うのが当たり前」「怒る人ほど損をする」など、日本の常識からしたら驚くことばかり。 この連載では、そんなマレ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

tsatie まさにその通りか... 辛過ぎるなぁ。そしてまぁ… https://t.co/oRUGze4rQv 9ヶ月前 replyretweetfavorite

OverOvertoyou #スマートニュース 9ヶ月前 replyretweetfavorite

NANA_Hawaii_ 思考力、について考える。 考えない幸せもある。 9ヶ月前 replyretweetfavorite