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女性を愛しているからこそ、女性を性欲の対象にする自分が加害者みたいに思える。こういうことはおそらく、自分を女性だと思っていない人にも起こるんじゃないかしらと思っています。
今回ご紹介するのは、「SNSでセクハラや性的搾取に関する議論を見ていたら、自分は女性を害する存在なのかもしれないと思えてきてつらい」とおっしゃる方からのご投稿です。女性を愛する女性の方からいただいていますが、エロコンテンツを愛するものと憎むものみんなで考えていきたいと思っています。SNSでの論破合戦ではなく、ね、
では、ご投稿を読んでまいりましょう。
牧村さん、はじめまして。 ウィットに富んでいる牧村さんの文章をいつも楽しく読ませていただいております。 今回は私自身が女性に抱いている罪悪感についてメールしました。
私は自分が女性が好きな女なのだと小学校高学年頃に自覚しました。 自覚し始めた頃は「女の子ってかわいいなあ、好きだなあ」と漠然と思うだけでしたが、女性の体に触れたいだとか、好きな人と気持ちよくなりたいなどとだんだん思うようになりました。そして、高校生になってからはインターネットでグラビアアイドルのお姉さんの写真や映像を見るようになり、大学生になってからはこっそりとAVも見るようになりました。他のレズビアンの方がどうなのかはわからないのですが、私は実際の性行為と男性向けのコンテンツに出てくる性行為の間にギャップがあるとわかっていながらも興奮してしまいます。
昨今、SNSやその他のメディア上で女性への性的搾取やセクハラに関する問題について議論されている場面をよく見かけます。そういった場面を目にすると私は罪悪感を抱きます。私は女として生まれ、女性を愛し、女性を大切にしたいと思っています。しかし、問題として挙げられることの多い、ヘテロ男性向けに作られたコンテンツにまで興奮し、そういったものを見てしまう自分は、女性を性的に消費し、大切にできていないのではないのかと思うのです。また私は街中などで魅力的な女性を見ると、素敵だなあと感じ、チラッと見てしまいます。最近は女性に対して申し訳なさを強く感じるようになり、女性の体に対して魅力を感じること自体が不適切なのではないかという気にもなってきています。 女性であれば誰でも良いわけではないですし、魅力的だと感じたからといって、相手の容姿や体のことについて不用意に発言したり、触れたり、もちろん同意のない行為などに持ち込もうなどとは微塵も考えません。そういったことは自分もされて不快だと感じるからです。 自分は女性として生きていながら、女性を害する存在なのかもしれないと思うと辛いです。
よし。SNS見ないでAV見よう。
いや、マジで本気で言ってますよ。SNS見ないでAV見よう。 それが性的ファンタジーであって現実の性行為とは違うということをちゃんとわかった上で、違法配信ではなく正規で、応援したい人がいたら(サンプル動画だけじゃなくって)できる範囲でちゃんと正規課金して経済回して見よう。エンジョイエロコンテンツ。イエーイ。
太陽の時代にしていきませんか
「北風と太陽」ご存知でしょ。イソップ童話の。今までの時代をね、北風だったとしましょう。冷たい風に吹かれて強制的に脱がされていた人たちばかりの時代だったとしましょう。それをね、太陽の時代にしていきませんか。北風で無理やり脱がすコンテンツをスルーし、誇り高く脱ぐお仕事に取り組む人たちを太陽のように応援する時代にしていきませんか。気持ちよく脱いで、気持ちよく太陽を浴びられる時代がいいじゃない。わたしはそう思ってます。
だって、太陽の勝ちが見えてるんですよ。インターネット以前の時代と違って、今は出演者自身が発信することもできるようになっている。AV出演強要問題はもはや政府広報に載るレベルのイシューだし、この問題に向き合うユニオン・弁護士・ジャーナリストなどなどの方々も日々闘っている。直接的にAV出演強要問題と闘っているわけでないにしても、間接的要素……たとえば、貧困、男女賃金格差、契約書を「ここにサインしてくれる?」だけで済ます文化、などなどを改善しようと取り組む人たちもいるわけですよね。それぞれの日々で。
そういう中で、消費者としてできることは何か。
わたしはね、課金だと思ってますよ。太陽のごとく熱い課金。
消費者としてできる明るい課金計画
女性(とされる人)が性的搾取に追い込まれる構造の根源は、いろいろありますけど、大きくはお金でしょ。だったらね、消費者としてできることは、これです。
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