なぜ「女の側から好きになる恋愛」は、うまくいかないのか
白河 でも、なんで普通の女性、つまり「いわゆる女性性が強い女性」のほうから恋をすると、つらいんですか?
二村 女性性が強い人って、自己肯定が苦手なんですよ。本来はそんなことはない筈なんですが、現代の日本の社会が【女性性というものに価値を見ていない】からだと思います。そんな社会の中で、あるいは親や学校の教育もおかしいと思うんですが、多くの女性たち、そして自信のなさから恋愛に積極的になれないチキン系の草食男子たちは「私(俺)なんかダメだ」と、自分を肯定できない。だから男性性が強い人が、女性性の強い人に対して「好きだ」とガンガン押していくことで、女性性の強い人も「私(俺)は求められているんだ」と感じられて、それをきっかけに自分を肯定できるようになれれば、めっけものなんですが……。
結婚したがっていたはずの女性の側の、心の底の【自己肯定できなさ】が強烈すぎると、相手から口説かれたとしても、土壇場で「やっぱり結婚相手は、この人じゃない気がする」って感情が生まれてしまいます。
白河 「女性性が強い女性」のほうから男性に対して「私は、あなたと恋愛したい!」とガンガン攻めていくとどうなるんですか?
二村 女性側は【自分が求められて始まった恋愛】ではないから、その恋愛が成就しても、自己肯定できないままです。だから辛くなって、終わってしまうんです。
そもそも【自己肯定できない女性】は、彼女のことを愛さないだろう男性に恋してしまうことが多いですよ。彼女たちは基本的に【自分に恋をするような男】を「キモチワルい」と思って見下すか、「この人は、本当の私がわかっていないんだ。私の正体がバレるとまずい……」と無意識下で思って遠ざけるか。
逆に、ぜったい結婚できない相手(ようするに不倫)や、結婚しにくい相手(だめんず等)だと、かえって彼女たちの恋は燃えあがる。
白河 たしかに、女性側が主導権を持って攻める恋愛って、最初はうまくいっても、その後のことを考えると、かなり根性がいりますよね。最初は「なんで私から告白しなきゃいけないの?」に始まって、「なんで私からプロポーズまでしなきゃいけないの?」って、どんどん自分のなかで葛藤も生まれてきそうですしね。根性ある肉食女性たちは幸せそうですけれど……。彼女たちはしっかり自己肯定できているのかもしれない。
若い女性たちの間では「自分から告白」が当たり前
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