アメリカの会社にはかつて、秘書という職種の方々が沢山いました。重役の秘書もいますが、グループ秘書などもいて、グループに一人配属され、そのグループで発生する様々な事務仕事を一手に引き受けてくれる、とても頼りになる存在だったのです。
会議をスケジュールしてくれたり、コピー用紙やボルーペンを始めとする様々な備品を取り揃えてくれたり、簡単な書類を作っておいてくれたり、ちょっとした調べ事をしておいてくれたり……。グループ秘書は、ちょうど庶務課のお姉さんみたいな感じでした。
ところが、2000年頃からでしょうか?様相が急速に変ってきました。まず会議はすべてオンラインで招集できるようになり、大抵の会議は管理職が直接招集するようになったのです。私も自分で会議を招集していました。マーケットには様々なソリューションが販売され、やがてはグーグルカレンダーのような無料のソリューションさえ登場したのです。
文章作成も、ネットの発達に従って大抵の文章のひな形が無償で簡単に手に入るようになり、秘書の必要性をさらに低下させました。やがてオンラインショッピングが一般化し、備品の発注なども秘書を必要としないプロセスが整っていったのです。メールやスカイプといった通信手段の発達と普及に伴って、書類の送付、コピー取りといった簡単な作業から、採用面接の設定に至るまで、ほとんどすべての業務が秘書を介さずに瞬時に出来るようになっていったのです。
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