※ 『週刊ダイヤモンド』2019年6月29日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
【その1】コストにこだわれ
信託報酬の少しの差が
長期では大きな違いに
投資信託選びでは、コストが最重要。将来のリターンは予測できないが、コストはすでに分かっていて、低コストの商品を選べばリターンを押し上げられるからだ。
コストのうち、購入時手数料はノーロード(手数料ゼロ)の商品が増えている。「今はノーロードの投信だけで選択肢は十分にあり、特に理由がない限り手数料が必要な商品は考えなくてよいでしょう」(島田知保・「投資信託事情」編集長)。
信託財産留保額は不要な商品も多く、料率は0.050~0.5%程度で1度しか掛からないため、それほど気にする必要はない。
最も気に掛けるべきは、保有している間、継続的に掛かる信託報酬だ。投資対象や運用手法などにより、一概に「何パーセント以下を選べ」とは言えないが、同じ指数に連動するインデックス型投信なら信託報酬は低ければ低いほどよい。仮に、信託報酬の差が0.1%でも10年では1%。資産が1%減るのと同じことだからだ。
【その2】基本はインデックス型
アクティブ型は「あえて」選ぶ商品
「TOPIX(東証株価指数)」や「ダウ平均」のような指数に連動する運用成果を目指すのがインデックス型投信で、そうした指数(ベンチマーク)を上回る運用成果を目指すのがアクティブ型投信だ。アクティブ型は市場平均以上の利益を得られる可能性があるのが魅力だが、逆に市場平均以上の損失を被る可能性もある。また、インデックス型に比べると、コストも高い。
資産形成には、まずはコストの低いインデックス型を選択。市場平均並みのリターンをコツコツと積み上げていくことを基本と考えよう。
【その3】下落時こそ積み立てる
安値で口数を多く購入
平均単価を下げる効果も
中長期で資産を築くには、積立投資に対応している投信を選ぶことが必須。「つみたてNISA」や「iDeCo」で買える商品は全て積立対応だが、それ以外でも多くの投信で積立投資が可能となっている。
だが、積立対応の商品を購入しても、積立を途中でやめては意味がない。特に、「相場が下がっているから積立を一時的にストップする」と考えるのは愚の骨頂だ。
なぜなら、価格が下がったときは多くの口数が買えて、長期で見れば平均購入単価を引き下げられる可能性があるからだ(これを「ドルコスト平均法」と呼ぶ)。積立をスタートしたら、途中でやめないことを肝に銘じよう。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。