※ 『週刊ダイヤモンド』2019年6月29日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
節税メリットのある制度のうち、ほとんどの人が利用可能なのが「iDeCo」や「つみたてNISA」、一般の「NISA」。三つの制度の違いなどを詳しく見ていこう。
まず、「iDeCo」は老後資金形成のための制度であり、二つの「NISA」は少額で投資する人のための支援制度である。老後資金作りが目的だからこそ、「iDeCo」は60歳まで資金を引き出せない。デメリットにも思えるが、解約の誘惑にさらされずに資産形成ができるのはメリットだ。一方、「つみたてNISA」と「NISA」には資金の引き出し制限がないので、老後資金はもちろん、それ以外のライフイベントの資金準備にも柔軟に利用できる。
年間の掛け金・投資額と運用期間は各制度で異なり、「つみたてNISA」は年40万円×20年、「NISA」は年120万円×5年だ。現状では「つみたてNISA」が2037年まで、「NISA」は23年までの予定だが、変更はあるにせよ「NISA」制度自体は延長されるという見方が強い。
「iDeCo」の場合は、前回説明した通り、属性で拠出額が変わる。特に会社員は、企業の年金制度の違いで年27万6000円、24万円、14万4000円の3種類に分かれる。最長40年間にわたり利用可能だ。
誤解しがちなポイントだが、どの制度も拠出額・投資枠の上限まで使う必要はない。積立投資では無理のない範囲で長く続けることが優先だ。とはいえ、確定給付年金のある会社員や公務員の「iDeCo」の拠出額は、最大で月額1万2000円。少し節約すれば十分に拠出できる金額だろう。
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