五感を使って、不器用に

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は、開高健さんの「五感を使った言葉選び」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。


開高健の実直力
出来事をできるだけ丁寧に、正確に伝えようとする誠実さ。



文章を短く、いらないところは削ろう。
キャッチなー言葉を使って、わかりやすく書こう。
…というのが文章術の常識だと、私自身は信じてきました。

でもその一方で、自分の「感覚」とか「感触」まで、短く削ぎ落すことはないのかもしれない …と思っています。

あまり歯切れのよい言葉を使いすぎていると、文章が、自分の言いたいことから、離れていってしまうことがある。

文章のプロたちは、自分の言いたいことを無駄にしない。
言うなれば、“もったいない精神”です。
自分の五感が得た情報を、あますことなく言語化する。
そうそう、そういうところまで言語化してほしかったの。私もそういうことが言いたかったの。そう思わせてくれる。

なぜそんな言語化ができているかと言えば、それはもちろん懸命に言葉を選んだすえに生まれた文章だから。だけど一方で、むしろ、「ひとことで言うことをあきらめた結果」でもある、と私は思うのです。

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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