永麻里の代弁力
あなただから書ける文章が好き。
突然ですが、「いい香りがするような文章」ってありません?
プロの作家が書く文章はもちろん、ブログやSNSの記事でもなんでも、ちょっと前を通りかかっただけで、なんとなーくいい感じがして、ついつい吸い寄せられてしまうような。
私もいい香りのする文章が書きたいなあ、とひそかに思っていたのですが、どうやったらそんな文書を書けるのかと言えば、まったくわかりませんでした。
この文章と出会うまでは。
自分が体験したエピソードから、ある気づきにいたった文章です。
実際は、もともと自分の主張があり、(なぜそう言えるのか?)という根拠を、個人的なエピソードで裏付けています。これは、よく見られる書き方です。
たとえば永麻理さんの文章の場合は、
・「粋」=恥ずかしい気持ちが強いからおこなうこと。
・堂々と誰かを喜ばせること=「野暮」
という個人的な主張がもともとあり、その主張を、父・永六輔さんとの思い出によって裏付けています。
永六輔さんは、誰もが認めるであろう江戸っ子です。
「粋」や「野暮」の正解を語れる数少ない人物でしょう。説得力があります。
ふむふむ、なるほどねと読んでいると、あることに気がつきます。
〉江戸っ子は、恥ずかしい気持ちが強いからこそ「粋」に繋がるのだとよく言っていた。
という一文までは、主張の主が永六輔さんだとわかる。
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