日本とマレーシアを行き来していると、幸せとはなんだろう?と不思議になることがあります。
マレーシアの人たちの幸せは、シンプルです。先日、マレーシア人の約7割弱の人が「自分が幸せだと言っている」という調査結果を紹介しました。そして、9割が「家族が非常に重要だ」と答えているというのです。私の肌感覚もそんな感じです。
しかし興味深いのは、この「幸福感」が前回調査よりも下がっているということです。
調査では、人々の幸福感が下がった原因として、物価の上昇や政府への不信感などを上げています。しかし、それはこう続きます。
( You may think that the respondents in the higher income bracket were happier in that respect but the study showed otherwise.
In fact, the happiest people were from the poorer states. )
さらに、学歴が高い人より学歴が低い人の方が、幸せを感じているといいます。
これはどういうことでしょうか。
収入が低いのになぜ、幸福度が上がることがありうるのか。
学歴が高い人より、低い人の方が幸せを感じることなんてあるのか。
日本でも、マイルドヤンキーは幸せだと主張する人たちがいますが、これと共通しているかもしれません。
調査を行なったリー教授は幸福には「意味のある関係性」が重要だとしています。
実は、お金はそこには大きく関連しないのかもしれません。
もしくは、学歴が高くなって、いろいろなものを見たり、くらべたりした途端に、人は幸福感が減ってしまうものなのかもしれません。
「美味しいものを食べる」幸せは本当の幸せではない!?
最近読んだ認知科学者の苫米地英人さんの幸福についての本(『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』)が興味深かったのです。
そこには、人が幸せを感じるときのメカニズムについて書いてありました。ちょっと引用しましょう。
私はこれを読んで驚きました。
美味しいものを食べるのは、幸せに違いないと思っていたから。
それが「人間の幸福に近づく」ためには、「美味しいご飯を食べて、誰かに伝える」とか、「誰かのためにご飯を作る」とか他者が入ることが重要なのだそうです。
では服を買うことはどうでしょうか。
しかし、高いお金を出して買ったお気に入りの服が汚れたりほつれたりした途端に、嫌な気分になってしまう。あるいは、パーティーで、自分よりもっとおしゃれで、もっと美形で、もっとモテる人物が現れるやいなや、楽しい気分も吹き飛んで、嫉妬にかられるかもしれません。
つまり、消費の楽しみも、長続きしません。
お金で買えるもののうち、例えばグルメや買い物は、人の幸せにはたいして直結しないと言うのです。
幸せには「自分以外の人も入る」
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