前回、母親よりも父親のほうが公園遊びに向いている理由として、「男女には単純に圧倒的な体力の差があって、体力があるほどに公園遊びの可能性は無限大に広がる」ということを書いた。男女の体力差についてもう少しだけ触れると、公園遊び以外でも、育児をしていると夫の体力に驚くことが多々ある。たとえばベビーカーでお出かけをした時。
夫の見た目は非力そうなのに……
女一人だと、ベビーカーで出かけていて階段しかないポイントにぶち当たると、かなり絶望的な気持ちになるし、実際問題としても完全なピンチに陥る。
一方で夫は、3階くらいまでは平気で子どもが乗ったベビーカーを担いで登り下りしているから、私からすると一体どこからそんな力が湧いてくるのか不思議でしょうがない。
いかにも力のありそうな見た目をした男性だったらともかく、夫は185cmの長身でありながら体重は50キロ代に食い込んでいるような超絶ガリガリマンで、アンガールズさんさながらのヒョロヒョロ体型をしたチャラ男なので(4年間一緒にいても未だに裸を見るたびに「細っ!」と思い、ギョッとする)、「こんなに非力そうな人でさえも、こんなにパワフルなのか……!」と思う。
昔からたびたび「どんなにひ弱に見える男でも、本気を出せばを女を組み伏せるのは簡単なことで、女性は全力で抵抗しても男の力を振りほどくことができない。だから女性は、男と2人きりになることに対しては慎重になりすぎるくらいでちょうどいい」という忠告を受けてきたのだけど、ずっと「そうなの?」くらいの感覚しかなく、今思うとあまり理解できていなかったのだけど、夫の育児を見るようになって以来「なるほど、男の人って本当に、私とは全く別次元の体力なんだな」と実感するようになり、改めて男性への警戒心を持つようにもなった。
ちょっと話が飛躍してしまったけれど、そんなわけで、公園遊びに関しては夫の方が圧倒的に向いていて、ママ贔屓な息子からもその実力は認められている状況だ。
「休日くらい公園で遊んであげてよ」というのは酷
とはいえ、大半のお父さんは、公園で輝いていない。
「公園は父親が輝ける土俵だ」とは書いたけれど、そこには重要な条件が一つある。
大前提として、体力が充電完了されていることが必要だ。
普通に週5日フルタイムで働いているようなお父さんだと、疲れた体を引きずって公園に来ているから、そこでアグレッシブな行動を取ったりしないし、すごく省エネモードで過ごすことが基本になる。
実際、公園に行くと数人のお父さんを見かけるのだけど、だいたいが覇気のない顔をしてスマホをチラチラ見ながら子どもを見守っているような状態で、全力で遊んでいる人は見たことがない。夫にしたって、彼が働いている頃に3人で公園に行った時には今ほどアグレッシブでアクロバティックな父親ではなかった。
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