建築家・伊東豊雄氏のメッセージ
第三章で詳しく取り上げるが、知事選に落選した後に、政治の世界から引退し、始めた事業「東北食べる通信」はまさに、この価値を「食」に置き換え、都市の消費者と地方の生産者をつなごうとするものだった。その創刊号に、建築家・伊東豊雄氏は「共に生きる」と題してこう書いてくれた(文中の「みんなの家」とは伊東氏ら著名建築家が提案する新しい集会所建設プロジェクトである)。
3・11の後、被災各地に数万戸も建てられた仮設住宅地を訪れて怒りがこみ上げてきた。これは戦後の日本が追い求めてきた「近代」の最も貧しい風景だからだ。(中略)これは「ひとり(孤独)」を象徴する世界である。人と人をつなぐのではなく、人と人を分断する思想でつくられているからである。(中略)
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