「今話題の3D映画を見に行ってきたよ」
「へぇ、で、どうだった?」
「評判どおりだったよ」
と、せっかく盛り上がるはずの話題なのに、ここでプツリと会話が途切れてしまうのはなぜでしょうか。
それは、「どうだった?」という質問の仕方に問題があったのかもしれません。なぜなら、あまりに漠然としていて、相手は何を話していいのかわからず、あたりさわりのない答えをしてしまうからです。
また、話し手にとって「どうだった?」という普通の決まり文句的な質問をされたことで、聞き手がその話題にさほど興味を持っていないと判断し、話を早めに切り上げたのかもしれません。
会話を盛り上げるためには、相手が話したくなるような心遣い、話しやすくなるような質問が必要です。この例の場合なら、
「3Dだと、自分も映画の中にいるような気分になれるんだよね?」
「今までの特撮と、どういったところが違うの?」
「メガネをかけて見るって、どんな気持ち?」
このような質問をするのがいいでしょう。相手は具体的に答えやすく、それが糸口になって、どんどん話題が広がっていきます。
他にも、この「どうでした?」という質問をしないほうがいい場面があります。
たとえば、取引先の新商品の評判を知りたい時に、
「あの商品の評判はどうでした?」
とストレートに聞くのは、ちょっと遠慮がありませんよね。このような場合は、
「新商品を発売されたのですね」
と言ったほうが相手の気持ちを損ないません。相手が返す言葉のニュアンスで、だいたいの評判はわかるものです。
また、
「部長、昨日のゴルフはどうでした?」
と聞くのも、少し不躾な感じがします。もし、芳しくない結果だったとしたら、部長は気分を悪くする可能性があります。
こんな時も、
「昨日はゴルフだったんですね」
と、遠慮して尋ねるといいでしょう。部長が言葉を濁すようなら、もうその話題にはふれないほうがいいでしょう。
同じような事例では、
「お子さんの受験どうでした?」
というのもあります。この場合も、
「お子様の受験も終わって、落ち着かれたのではありませんか」
というように、気づかった表現のほうがいいようです。
このように、「どうでした?」という言葉をうっかり使うと、相手に不快感を与える場合もあるので、気をつけましょう。
どうしても、質問が思い浮かばない場合、またはそれほどその話題に詳しくない場合は、基本に戻ってみましょう。「いつ?」「どこで?」「誰が?」「何を?」「どうして?」「どうやって?」という、5W1Hです。
先の3D映画の例なら、「へぇ、誰と行ったの?」と質問するのもひとつの方法です。「彼女と行ったんだ」と、そこから会話が広がるかもしれません。
聞き上手な人が会話のキーパーソン
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