男性と女性を比べると、雑談が苦手なのは男性のほうでしょう。カフェやファミレスなどで女性同士や女性のグループは何時間でもおしゃべりに興じていますが、男同士は飲み食いが終わるとすぐに席を立ってしまいます。なぜ、男性は楽しく雑談できないのでしょうか。
その理由の一つに「話に結論を求めたがる」ことがあげられます。
たとえばOLの会話をみてみましょう。
「この前さ、すっごく寒い日があったじゃない」
「うん、あったあった」
「私、寒いのがめっちゃ苦手だから、そういう日はブーツじゃないとダメなのよ」
「わかる。でもさ、ブーツって玄関がせまくなるでしょ?」
「なる、なる。だから私、部屋にブーツおいてるもん」
「え~、ニオイが気にならない?」
「靴用スプレーあるから平気。グレープフルーツの香りとかあるのよ」
「あ、グレープフルーツの香りって、痩せる効果あるんでしょ」
「そうなんだ。あ、痩せるっていえばさ、私、来月からジムに行くことにしたんだ」
「え、どこのジム?」
ご覧いただくとわかりますが会話は弾んでいるものの、一貫したテーマもなければ結論もありません。実は、男性はこれが苦手なのです。
たとえば、今の会話を男女ですると、
「この前さ、すっごく寒い日があったじゃない」
「え、何曜日のこと?」
「うーん、忘れた。私、寒いのがめっちゃ苦手だから、そういう日はブーツじゃないとダメなのよ」
「なんで寒いとブーツなの? そもそも君はミニスカートをはくから寒いんだよ。寒い日は厚手の靴下とズボンをはけばあったかいよ」
「まぁ、そうだけどね…」
このようになり、会話がストップしてしまいます。
男性は会話に対してある意味、真面目に取り組み過ぎるため、相手の投げかけた言葉をまとめに受け止め、それを正確に投げ返そうとする傾向があります。
しかし雑談は、言葉をふわっと受け止め、それをまた緩く投げ返すようなもの。あまり真剣になりすぎないほうがいいのです。
ダラダラ話す相手に、「で、結局、何を言いたいの?」「結論から言ってもらえるかな」などのように畳みかける男性もいますが、こういうタイプも雑談が苦手です。言い方を換えれば、「ノリが悪い」「空気が読めない」人かもしれません。
雑談は質疑応答でも議論でもありません。なんとなく場の空気をつくるコミュニケーション術だと覚えておきましょう。
気の利いたことを言う必要はない
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