上橋菜穂子の親身力
え? 私ひとりのために、話してくれてるの?
文章って一体どこに読点を打てばいいんだろう。
書いているときの気分によって、ころころ変わることはありませんか。
(短く、ぽんぽん切りたい! 読点多めで!)というテンションのときもあれば、(流れるように、一気に書きたい! 読点少なめで…)というテンションのときもある。
書いているときはいいのだけれど、読み返したときに、なんとなく全体がギクシャクして気持ちが悪いことがあります。
常識的には、句読点なんて自分の好きにすればいいでしょう。
国語の先生も「きみの好きにしろ」って言っていました。
文章はどこで区切ってもいい。でもだからこそ「迷ったときはこれ!」っていう目安がほしい。
私はこの「文章の読点区切り問題」について、真剣に取り組んだことがあります。
「読みやすい長さとは?」「親しみやすい長さとは?」「そもそも読点ってなに?」
長らく解けなかったこれらの問いについて、一つの答えにたどりつくことができたのは、ひとえにこの文章を読んだおかげです。
この文章は、作家の上橋菜穂子先生が生い立ちを語ったもの。
その内容を、ライターの瀧晴巳さんがインタビュー記事として再構成したものです。
この文章のなにがすごいって、読んでいると、まるで生身の上橋菜穂子先生が、私たちに直接語りかけてくれているように感じられること。
紙の上の文章なのに、なぜこんなにも生き生きとした「言葉」として感じられるのだろう?
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