僕の最初の記憶は、母が僕と一緒にお風呂に入ってるときの記憶だ。
母は僕の身体を丁寧に洗ってくれていた。 その時、母はいつも同じ歌を歌っていた。
その歌が母が若い頃に人気だった「ミスチル」というバンドの「タイムマシーンに乗って」という曲であることを知ったのは、僕が成長した後のことだ。
死ぬほどダサい曲だったけど、母はそもそもダサい生き方をしていたので、母にお似合いだと思った。
僕の母はシングルマザーだった。
まともに育てられないなら、「子どもなんて産むなよ」と思ったことは一度じゃない。
母は、精神的にはものすごく幼くコドモおばさんみたいな所があって、若い頃は可愛げがあって良いと思われていた部分が、年齢を重ねても変わらず、ヤバイ部分として母には残っていた。
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