支援する人にも支援者が欠かせない
身近にうつの人がいて、なんとかよくしてあげたいと頑張っている。
気がついたらなぜか自分も涙が出る。疲労感がある。すごくイライラして誰かに当たってしまう……。そんなときは、「もらいうつ」になっている可能性があります。
その場合、相手とぐんと距離を離すとか、旅行に出掛けてみるとか、自分が患者さんになって治療を受けるなどしたほうがいいでしょう。自分だけで抱えても、改善は100パーセント無理だと思ったほうがいいです。
自分の大切な人の助けになりたいと思っているのが支援者ですが、その支援者の支援が、どうしても欠かせないのです。
誰かを支援しようとするなら、自分の味方や自分を支援してくれる人を見つけてから始めてください。
私も、いろいろな相談窓口にいる人や、上司として部下を見ていかなければいけない人に、「私がついているから大丈夫。私があなたを支援するから、あなたは下の人を支援しなさい」と、いつも声をかけています。
そういう支援者支援の体制がないと、うつの人の支援はどんな人でも難しいです。専門家でさえもそうです。思わぬところで死なれてしまったりすることもあるし、自分が不調になってしまうこともありますから。
病院との連携も大切です。病院には、薬や入院という持ち札がありますから、そこと連携することです。
また、いろいろな人がかかわることでよく起こるトラブルもあるので、そのことも念頭におく必要があります。
お医者さんと患者さんは信頼関係で結ばれていて、お医者さんは患者さんの利益のために動くので、もし患者さんが「あの人がこうだから」と他罰的に誰かのことを話すと、お医者さんから見て、その人は悪い人になってしまうのです。