<家財一式>
収監という「強制断捨離」。
何もない部屋で 感じたのは すがすがしさだった。
収監までの日々は、いつも通りに過ぎていった。
執筆活動、新しい事業の立ち上げなど、多くの仕事をこなしながら、友人たちとの会食や遊びを楽しんだ。忙しくして、収監という嫌な決定事項を考えないようにする。本当に、いつも通りの暮らしを続けていた。
当時は六本木に自宅を借りていた。収監が決まり、解約しなくてはならなかった。
家を引き払う前に、持ち物の大部分を処分した。
物欲はほとんどないつもりだったが、洋服やマンガや調度品など、小物が、けっこう溜まっていた。意外とモノを捨てられていなかったなぁ……と反省した。
何日かに分けて、友だちや後輩に、ごっそりプレゼントした。
気分的には、お金をもらわないフリマだった。
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