夫が無職になって以来、「旦那さんは働いてないってことは、主夫なんですね!今の時代、そういうのもアリだと思います!」などと言われることが増えた。
しかしながら、夫は無職だけど主夫ではない。なぜなら彼は家事をほぼ全くやっていないから。
一般的には【家に入れるお金が少ない方が、家事を負担する】という夫婦が多いのではないかと思うけれど、私たちの場合はそうではない。
昨年の夏に夫が退職して以来、家にお金を入れてるのは私だけだけれど、同時に、家事もほぼ100%私がやっている。夫が家事をする分量に関しては、サラリーマン時代も無職となった後もほとんど変わっていない。
夫に家事を頼む気にならない理由
なぜかといえば、まず第一に、夫には家事をこなすために必要な感受性が備わっていないから、頼む気にならない。
以前にも書いたけれど、家事というのは意外と才能がいるタイプの作業で、たとえば掃除や片付けは汚れていることや散らかっていることを認識できないとまともにできないけど、彼にはその能力がない。そんな彼に対して事細かな指示を出してやらせるよりも、自分でやった方が圧倒的に早いし、ストレスが少ない。
人は苦手なことをやろうとするとストレスを感じるけれど、その人にとって苦手なことを教える係をやることもまた、相当なストレスが生まれる作業だと思う。家事が苦手な男に家事をやらせるのって、かなり面倒くさい。
そんな感じで、家事をやることに必要な感受性を持ち合わせていない夫なのだけど、だからこそ、私がこなしている多くの家事に対しての感謝の気持ちも持っていない。
それは「妻が家事をするのは当たり前だ」などと思っているからではなく、シンプルに、あらゆる家事のビフォーとアフターの差を認識できない彼だから、私がやっている家事のほとんどに気づくことができていない。
もちろん報告をすれば「え、そうなの!? そんなことしたんだ?!」とは思うだろうけど、その必要性を理解していない彼からすると「几帳面だね」以外の感慨はないと思う。
つまり、多くの家事は私の趣味と自己満足のために行なっているものであって、それ以上でも以下でもない。