カレー沢薫
おーいデラックスケーキだぞ! 手を洗ってこい【和歌山県・デラックスケーキ】
今回のテーマ食材は和歌山県の「デラックスケーキ」です。カステラに白あん風味のあんずジャムを挟み、ホワイトチョコでコーティングを施した仕様は、もう甘いものしか食べたくない疲労困憊の身には幸せでしかありませんね。数年前、火事に遭われたという「鈴屋」の工場は、仮工場から新工場となり、美味しいケーキを作り続けてくれています。ありがとう、デラックスケーキは文化遺産です。
今回のテーマは和歌山のお菓子「デラックスケーキ」である。
なかなか思い切った名前だ。不況で湿りきった頭ではとても出てこないネーミングセンスである。
何となくスネ夫の家にありそうで、のび太が食わせてもらえなさそうな響きだ。
デラックスケーキはケーキと言っても、ショートケーキやホールケーキではなく、四角い個包装のお菓子である。銀色の包装紙に赤や黄色の模様が描かれており、出来るだけ語彙を使わず言うなら「レトロかわいい」といった感じである。
さらに懐かしさのあるフォントで「デラックスケーキ」と、そして中央に「デラベール」と書かれていた。
デラベール? 突然はじめて聞く言葉が出てきた。 しかし中央に書かれているぐらいだからある意味「デラックス」より大事なのだろう。 そう思い、まず「デラベール」で調べてみたところ「デラベールの意味が未だにわからん」という記事が出てきた。
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この連載について
カレー沢薫
「ひきこもりグルメ紀行」とは、無職の漫画家・カレー沢薫氏が「部屋から一歩も出ずに全国津々浦々の食い物を手に入れ、部屋から一歩も出ずに食う」試みである!
著者プロフィール
1982年生まれ。OL兼漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。自身2作目となる『アンモラル・カスタマイズZ』(太田出版)は、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品になぜか選出され、担当編集ならびに読者が騒然となった。雑誌『Hanako』(マガジンハウス)をはじめ多くの連載を抱え、日々、Twitterでのエゴサーチと読者交流を欠かさない。単行本発売後、文庫化もされた初のコラム集『負ける技術』(講談社)が続々重版中。