──コンビニ加盟店の負担がかつてないほどクローズアップされています。皆さんは何を負担に感じ、本部の対応をどう思っているか聞かせてください。
A氏 2019年4月に就任したセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の永松文彦社長は、「既存店への投資を強化し、新規出店を抑制する」と記者会見で発言しました。ところがその1週間後ぐらいに、本部社員が私の店に来て、「近隣の2カ所で、新たな出店を考えている」と言ったんです。
B氏 いわゆる「ドミナント方式」(特定のエリアへの集中出店)ですね。
A氏 ええ。過去にも周辺で2店舗、セブンに出店されて、月の売り上げが10万円ほど下がりました。今回の出店についても、本部から納得のいく説明はありません。住宅ローンを抱えていて、大学生の息子もいるので不安です。
B氏 私もかつて、開店して3年目に本部社員から「利益が出ているし、法人化されたらどうですか?」と勧められ、社会保険にも入ったんですけど、その途端にセブンにドミナントされた。すぐに赤字になって3年間我慢したけれど、あと数カ月で厚生年金の加入期間が20年になるのに、諦めて再び個人経営に戻しました。人生設計が狂いましたね。
──ドミナント方式が加盟店の経営に打撃を与えるのですね。
C氏 ええ、ファミリーマートでもドミナントはやりますよ。私は数百メートル先にファミマに出店されて、50万円はあった日販が35万円に一気に落ちた。この店のオーナーに会ったら「日販が25万円しかない」と言っていて、彼もいわば被害者でした。数年後に撤退してしまいましたけどね。ローソンはどんな感じですか?
D氏 私の店がある繁華街に近い住宅密集地では、ローソンだけではなく、セブン、ファミマとイオンのミニスーパー「まいばすけっと」が入り乱れて出店攻勢をかけ合っている状況が、最近ようやく落ち着きました。ですが、4チェーンで客や従業員の奪い合いは続いています。ローソンは、1人のオーナーに複数の店を経営することを勧めています。ただし、売り上げが低くオーナーが辞めたらしい店を、本部から「経営しませんか?」と言われることがありますね(苦笑)。
B氏 それは苦しい(笑)。
今なお続くドミナント
人手不足で恐怖の従業員ドタキャン
C氏 ファミマは、最近は新規出店を抑制しています。ですが都心では、かつて合併したサークルKサンクスやampmから看板替えしたファミマの店舗同士で競合して苦しんでいるオーナーが多いと聞きますね。
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