おばあちゃんがモラハラDV彼氏を撃退してくれた

ユウカは無我夢中で走っていた。モラハラDV彼氏から逃れるために。

サトウキビ畑の横を裸足で駆けていた。

足の裏はもうボロボロだった。

血が流れて痛いけれど、止まるわけにはいかなかった。 靴はわざと家に置いてきた。 渋沢が私の姿がないことに気づいて、探し始めるまで少しでも時間を稼ぐために。

車道の脇を走ると、ドライバーたちから奇異な目で見られるから、少しでも裏道を歩いた。 沖縄は、田舎にいくとまだ舗装されていない道も多い。 野良犬や野良猫もたくさんいる。

足の裏には無数の小石がひっついては離れ、時折、足の皮を引き裂くと、そこから青黒い血が流れ出る。

(どこにいくの?)

と心の中の声が囁くが、行く先は自分自身もわからない。ただ、渋沢の元から離れたかった。

日は、やがて落ち、見たことのある風景の中を歩いている気がした。

かろうじて、そこが読谷村と気づいたのは、もう周りが真っ暗になった後だった。

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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