深沢真太郎
再会
「まさかの」詩織のデート?シーンから始まる今回。
そして、「あの人」との再会。
今までとはまた違ったシチュエーションからはじまる本編を、ぜひ最後まで楽しんでください。
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須田雄基が指定した場所は、意外と落ち着くカフェだった。かれこれもう1時間。詩織は学年が一つ下の雄基とコーヒーを相棒に、将棋について語り合っていた。
詩織は制服が苦手だった。まったく同じものを毎日着るということには〝遊び心〟がないし、何より自分にはこの制服が似合わない。そう思っていた。休日はたいていアメリカ発のブランドのデニムパンツとパーカーが定番だ。そんな詩織が、今日は珍しくスカートをはいている。
雄基との出会いは2ヶ月前。図書室で将棋の本に没頭していた詩織に、突然話しかけてきたのが雄基だった。
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この連載について
深沢真太郎
ビジネス数学教育家・深沢真太郎が満を持して書き下ろした、青春数学自己啓発小説!
「私たち若者に、間違ったことを教えないでくださいーー。」
ひょんなことから母校の高校で卒業生講演会に招かれた29歳のド文系ホテルマン...もっと読む
著者プロフィール
ビジネス数学教育家
BMコンサルティング株式会社代表取締役
一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事
幼少の頃から数学に没頭する。
日本大学大学院総合基礎科学研究科修了後、予備校の数学講師となるも自らの指導理念との齟齬を感じ、わずか半年で退職。いきなりの挫折に一発奮起し、自ら“真逆の世界"と定義するファッション業界に飛び込むことを決意。大手外資系アパレル販売員としてキャリアをスタートし、ごく普通のサラリーマンをゼロから経験した。その後、数字を使った論理的な仕事が認められ、管理職として活躍。やがて「数学でビジネスパーソンを救う仕事」が今後の自分の使命と決意。
2011年、かつての数学教育者とサラリーマン経験の2つの キャリアを掛け算した「ビジネス数学」を提唱し、研修講師として 独立。その分野では唯一の専門家として、のべ7,000人以上の文系ビジネスパーソンを劇的に変えてきた。その懇切丁寧な指導法は「史上最強にわかりやすい」と好評。担当研修のリピート率は100%を誇る。
多摩大学で教鞭をとるかたわら、2017年一般社団法人日本ビジネス 数学協会を設立。ビジネス数学指導者の育成に携わる。
著作は国内で累計13万部超。一部は翻訳され、多くの海外ビジネスパーソンに読まれている。特に、文系向けにビジネス数学をストーリー仕立てにした「数学女子智香」シリーズと『そもそも「論理的 に考える」って何から始めればいいの?』」の三作は、国内累計5万部超のベストセラーとなっている。今回は、著者初の「数学的・青春自己啓発小説」となる。