「30年ぶりの美空ひばりの新曲」という明記
毎年、年頭の原稿は紅白歌合戦を振り返る内容を記してきたのだが、一昨年に成功した三山ひろしのけん玉ギネス記録が失敗に終わったこと、豪華衣装路線を独占してきた水森かおりが豪華衣装を捨てて割と平凡なイリュージョンを2年連続で披露したことなどを踏まえると、積極的な議論をいくつも拾い上げるのが難しいので、今回は「AI美空ひばり」に絞りたい。
紅白で披露された「AI美空ひばり」による「あれから」は、美空ひばりが残した膨大な音声データをもとに、AI技術を駆使して彼女の声を現代に蘇らせ、「人の心を揺さぶらせることができるのかという試みに挑みました」(日本コロムビア・プレスリリース)とのこと。「30年ぶりの美空ひばりの新曲」という明記に引っかかる。紅白歌合戦のウェブサイトの表記は「AI美空ひばり」だが、発売されたCDジャケットの表記は「美空ひばり(AI歌唱)」。しかも、「美空ひばり」を3分の1くらいに小さくしたサイズで「(AI歌唱)」と添えられている。できるかぎり、新曲として売り出したいのだ。いやらしい、と思った。
これはやってはいけないことだ
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