思った場所に思ったタイミングでボールが蹴られるようになるには?
第1章で「99%抜けるドリブル理論は、ロジック×テクニックでできている」と言いました。そして、手品を例に挙げ、手品(ドリブル)には必ず「タネ(ロジック)」があり、それを実行する「手さばき(テクニック)」があれば、手品は完成すると説明しました。ドリブルもロジックが理解できても、テクニックが欠けていれば、相手を抜くことはできないのです。
第2章でも触れたとおり、自分がボールコントロールをミスしてしまえば、当然ボールを奪われてしまいます。この章では、ボールコントールの練習方法を、より実践に近い形で行なう方法をご紹介します。ぜひ、確固たるボールコントロール技術を身につけて、99%抜けるドリブル理論のロジックを体現できるようになってください。
狙ったタイミングで狙った場所へ動く感覚を作る練習方法
(1)メトロノームタッチ
サッカーをしたことがある方ならわかると思いますが、試合中にドリブルをしていると「今なら抜ける!」って思うタイミングは必ずあります。でもそこで、体が思うように前に出ない、ボールが思ったところにない、といった理由で一気に抜き去ることができないものです。それを解決するには以下のトレーニングが有効です。
メトロノームを使い、「トン、トン、トン......」という一定のリズムでボールを触り、狙ったタイミングで狙った場所に忍び込むための技術を身につけるのです。大切なのは一定のリズムでボールを触ることと、的確な場所にボールを置いてあげることです。この2つを意識して繰り返していけば、思ったときに「絶対に勝てる間合いに忍び込む」感覚を身につけることができます。
(2)ヘソを向けながら弧を描いてドリブルをする
第2章で、ディフェンスの足が届く範囲は円状に広がっていると言いましたが、円状に迂回する際に重要なのは体の向きです。第4章で説明した「左右分業」の話を覚えているでしょうか。もしも片方だけを向いてドリブルしてしまうと、進行方向には強いですが、反対方向のコースにはドリブルができなくなってしまいます。それでは、あなたのドリブルは簡単にディフェンスに読まれてしまうでしょう。
ディフェンスに対しておへそを向けながら円状にドリブルをすれば、右へも左へも行くことができるので、ディフェンスはどちらにドリブルしてくるかの的を絞ることができなくなり、あなたのドリブルはより一層脅威となります。
(3)軸足リード・ササクレタッチ
「ここぞ」というときに、一気に縦に抜き去る際に使う技術に「軸足リード」と「ササクレタッ チ」があります。
「軸足リード」とは、軸足が前に出た状態でのボールタッチのことです。主に自らドリブルで絶対に勝てる間合いに忍び込む際に使うのですが、このテクニックには2つの大きな特徴があります。
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