はじめまして。リト史織です。通常は料理教室でしかお教えしていない、研究改良を重ねてきた「生米パン」のレシピですが、レシピ本出版を記念して、特別に公開いたします。 ミキサーで3分混ぜるだけという簡単さで、その上とっても美味しいので、一人でも多くのみなさんに作っていただきたいです。
1、かんたん!
「こねずに混ぜるだけ」
生米パンは、材料をそろえたら、 あとはミキサー任せ。打ち粉をして、力いっぱいコネコネ……とい う作業は不要で、手間も洗い物も少なくて済みます。
「発酵は1回だけ」
ほとんどのパンが、焼くまでに二度生地を発酵させますが、生米パンは一度でOK。発酵回数が少ないぶん製作時間も短いので、思い立ったらすぐに焼けます。
2、体にいい!
「生のお米の栄養そのまま!」
米粉のように製粉されたものは、時間が経てば酸化してしまいます。 生米パンは米を自分で粉砕しながらつくるので、酸化しにくく、新鮮なお米の栄養を丸ごと摂れます。
「小麦粉・卵・乳製品不使用!」
レシピはすべて、植物性の食材のみを使用したヴィーガンレシピ。小麦粉も使っていないため、各種アレルギーのあるお子様にも対応できます。
3、おいしい!
「翌日もおいしい!」
焼き立てはもちろん、焼いた次の日にもしっとりとしておいしいのも生米パンの特徴。米自身に含まれる水分を丸ごと使っているからこそのメリットです。
「ふわふわ、もちもち!」
米を微細に粉砕してつくるので、ふっくらふわふわの食感に。また、米に含まれるアミロースとアミロペクチンという2種類のデンプンのいいバランスによって、米ならではのふわふわ&もちもち感が楽しめるパンです。
【作り方はとっても簡単!】
難しそうなイメージのあるパンづくりですが、生米パンなら、大きく分けてたった4 ステップで完成。 しかもミキサー任せなので実質の作業時間は1 0 分程です。
1、材料を準備
材料をそろえて計測。ミキサーのカップを秤の上に置いて、測りながら加えていくと簡単。分量が多少アバ ウトでもおいしく焼けるのが、生米パンのいいところです。
2、ミキサーで混ぜる
材料を入れたらミキサーで攪拌するだけ。パワーの強いミキサーなら、 2~3分混ぜれば生地の完成。こね る必要がないから力を使わず、洗いものも少なくてラクチンです。
3、発酵させる
型に入れたパン生地を、酵母の力で発酵させます。焼成するまでに発酵は1回のみ。30分ほど生地がふくらむまで待ちます。この間に片付けをしてもひと休みしても。
4、焼く
温めたオーブンに生地を入れて焼きます。パンがふくらみ、おいしそうな焼き色がついたら完成! アツアツの焼き立てか、冷めてからのしっとり感か、お好みで楽しんで。
【基本の生米パンの作り方】
まずは白い米を使った、もっちりふわふわの「基本の生米パン」から。これをベースにさまざまなアレンジができるので、ぜひマスターして。
【材料】
1⁄3斤食パン型(16.5×6.2×6 ㎝ ) 1台分
A
● 米 … 115g( 浸水済150g)
● 油 … 13g(大さじ1)
● メープルシロップ*1 … 8 g(小さじ1)
● 塩 … 2 g(小さじ1⁄2弱)
● 湯(つくり方参照) … 70~75g
● 酵母*2 … 3 g
*1:または砂糖5 g+水5 g
*2:インスタントドライイーストの場合は2 g
【作り方】
①米を浸水させる
軽く洗った米をボウルに入れ、水カップ1程度(分量外)を加えて2時間(冬場は3時間 以上浸す。
*心配な人は冷蔵庫で。2日に一度水を換えれば、冷蔵庫で4 ~5日は保存可能。夏場は2~3日で使いきって。
②型を準備する
型にオーブンシートを敷く。
③湯を準備する
鍋に水を入れて温め、約50℃の湯をつくる。
*沸騰した湯と水道水を1︰1で混ぜると約55℃の湯がつくれる。
④米の水けを切る
米をざるにあげ、数回ざるを上下させてしっかりと水けを切る。
*水けが残っていると生地が柔らかくなり過ぎるので注意。ま た乾きやすいのでミキサーに入れる直前に水けを切る。
⑤材料をミキサーに入れる
Aをすべてミキサーに入れ、最後に酵母を入れる。
*酵母は高温に弱いので、湯をミキサーに入れて少し温度が下 がったところに入れる。
⑥ミキサーで攪拌する
ミキサーで30秒程度回しては止める動作を3~5回ほどくり返す。途中、ミキサーの壁面 に飛び散った生地を、ゴムベラでこそぎ落と して全体を均等に攪拌する。
*長時間連続してミキサーを回すと、生地の温度が上がりすぎることがあるので注意。
⑦なめらかになったらOK
ざらつきがなくなるまでしっかりと混ぜる。このとき生地の温度が約40℃(人肌程度)になっていると発酵しやすい。
*ザラつきや水っぽさがあるときは米が十分に細かくなっていない証拠。とろりとなめらかになるまで混ぜる。
⑧型に入れて霧を吹く
型に生地を流し込む。霧吹きで表面全体に行きわたるくらいの霧を吹き、ふたをする(ア ルミホイルで覆ってもよい)。型に入れて霧を吹く
*生地が乾燥していると焼き上がりにひび割れの原因になる。
⑨生地を発酵させる
オーブンの発酵機能を使って40℃で15~20分発酵させる
⑩オーブンを予熱する
生地がもとの1.5倍程度までふくらんだらオーブンから取り出し、室温に置いておく。オーブンを180℃に予熱し始める。
*予熱する時間に発酵がさらに進む。過発酵(p.20参照)になりそうなときは、予熱完了前でも焼き始める。
⑪2 倍程度にふくらんだら焼く
予熱が完了し、生地がもとの2倍程度にふくらんだら、焼く直前に表面に霧を吹き、30 分焼く。
⑫粗熱をとって型から出す
表面にこんがり焼き色がついていたらオーブンから出す。粗熱を取ったら型から出す。
生米パンは玄米を使ってもつくれます。玄米独特の香ばしさがほんのり漂う、 滋味深いパンになります。
【玄米パンの作り方】
【材料】
1⁄3斤食パン型(16.5×6.2×6 ㎝ ) 1台分
A
● 玄米 … 115g ( 浸水済150g)
● 油 … 13g(大さじ1)
● メープルシロップ*2… 8 g(小さじ1)
● 塩 … 2 g(小さじ1/2弱)
● 湯(つくり方参照) … 65g
酵母*3… 3 g
*2:または砂糖5 g+水5 g
*3:インスタントドライイーストの場合は2 g
【作り方】
①軽く洗った玄米をボウルに入れ、カップ1程度の水(分量外)を加えて一晩(8~10時間)以上浸す。
②「きほんの生米パン」の②~ ⑥ と同様 にする。 なめらかになって、すくいあげるとポタポタと生 地が落ちるくらいになるまで混ぜる。
③「きほんの生米パン」の⑧ ~⑫と同様にする。
基本の生米パンのつくり方は動画も公開しています!