恩田陸の快速力
ここぞという部分が、はっきり伝わってくる。
文章の中で、「接続詞」とはなかなかに悩ましい存在です。
使い方一つで、文章全体を美しくまとめることもできる。
一つ間違えれば文章全体を混乱させることもある。
感覚的に使うわけにはいかない難物です。
接続詞とはもちろん「だから」「しかし」「また」「そして」「なぜなら」など、文章を円滑に読ませるために欠かせないものですが、たとえばもし私が先生で、小学生に作文を指導することになれば、やっぱり「まずは接続詞をきちんと使いましょう」って指導すると思います。
「けさの天気は晴れでした。“しかし”お昼から雨がふってきました。“だから”もっていた傘をさしました。“そして”カッパをきました。“なぜなら”雨にぬれるといろいろこまるからです。“たとえば”服がよごれます。“また”風邪をひくこともあります。“ようするに”雨にぬれてかえるとおこられるのです。“とりわけ”おこるのはお母さんです。“さて”どうでもいい話はこれくらいにしましょう。」
という具合に、接続詞をしっかり書くと、すらすらと読みやすくなります。
伝わりやすい文章を書こうと思ったら、一文一文に接続詞をあてがうのは基本中の基本です。
しかし!
接続詞が多くなればなるほど、だんだん文章は“鈍くさく”なるんです。
あえて、そういう効果を狙うならばいいけれど、上級者のあなたには、こんな書き方もあることも知ってほしい。
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