誰でも毎日行ける「無料の食堂」が500年も続くわけ

日本とくらべると驚くほど寛容なマレーシアの社会。そこでは、怒る人は少なく、相互扶助の文化が根付いているといいます。とりわけ寛容さが際立つのが今回ご紹介する「無料食堂」です。

「子ども食堂」が盛り上がっているようです。

2019年12月時点で、全国に3700箇所もあるそうです。
「子ども」と名前がついていますが、実は誰が行ってもいいらしい。

マレーシアにも似たような食堂があります。
インド出身のシク教徒の人たちがやっている「無料食堂」です。


500年も続いている無料食堂

こちらは「誰でも毎日行っていい」無料の食堂です。
異教徒でも、外国人でも、貧乏でも大金持ちでも、子どもでも大人でも、誰でも行っていいのです。

マレーシアにいくつかあるシク教寺院がそうです。

私も実際に行ってご飯を食べてきました。

教会の1階の真ん中に「ランガル」と呼ばれる大きな台所が据えられていて、たくさんのボランティアの人たちが、チャパティを捏ねたりカレーを作ったりしていました。
毎日オープンしており、さらに宿泊もできるのだそうです。
つまり、シク教寺院が近くにあれば、飢え死ぬことはないのです。

シク教とは、16世紀にインドのパンジャーブ地方で始まった比較的新しい宗教。ターバンを巻いているインド人がよく知られています。

驚くのがこれが500年も存続しているということです。
一体なぜ? と不思議になりますが、教義そのものを表しているようです。

以下、映画にもなった「聖者たちの食卓」のサイトからの引用です。

このグル・カ・ランガル(共同食堂)は、シク教の“宗教、カースト、肌の色、信条、年齢、性別、社会的地位に関係なく、すべての人々は平等である”という教義を守るために考案された500年近く続いている習わしだ。

「聖者たちの食卓」は、インドの黄金寺院をロケしたドキュメンタリーですが、ここでは毎日10万食が振る舞われているそうです。さらに寺院の周りには、無料の宿泊所、無料の病院があり、全て寄付とボランティアで行われています。


マレーシアのシク教寺院で起きたこと
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怒らない力—マレーシアで教わったこと

野本響子

編集者・ライターの野本響子さんがマレーシアで暮らし始めて感じたのは、日本にくらべて驚くほど寛容なマレーシアの社会。「迷惑は掛け合うのが当たり前」「怒る人ほど損をする」など、日本人の常識からしたら驚くことばかり。 この連載では、そんなマ...もっと読む

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コメント

yoshiki_kore_my 知らなかったことを教えてくれる、マレーシアの寛容さを再確認できるこの文章。素晴らしい 3ヶ月前 replyretweetfavorite

kumaguma8 @tomoshiokuda ちょうど今公開中のcakesの記事です。こういうことかな〜、って思いました。日本の宗教者も原点回帰して欲しいなー!それが目的でなくとも、皆にも尊敬される結果になると思う。 https://t.co/GFv357nD5z 3ヶ月前 replyretweetfavorite