【メンタリストDaiGoインタビュー】心理テクニックや人間工学

テレビでさまざまなパフォーマンスを披露し、大人気メンタリストとなったDaiGo。彼はなぜ人の心を読み、操れるのか?
DaiGo/1986年、静岡県生まれ。慶應義塾大学理工学部物理情報工学科に進学。
「全ての超常現象は科学的に再現できる」が信条。暗示や錯覚などを用いた「メンタリズム」のパフォーマンスをテレビ番組などで披露し、人気を博している。


──テレビでフォークを曲げたり、心を見透かすようなパフォーマンスをしていますが、“超能力者”なんですか。

 超能力者ではなく「メンタリスト」です。私たちが日本流に定義したメンタリストとは、「メンタリズム」を駆使して超能力といわれる超常現象を再現するパフォーマンスをします。

──メンタリズムは超能力ではないんですか。

 違います。科学や心理学などの知識と技術をもってすれば、再現できない超常現象はない。それをやってみせるのがメンタリズムです。心理テクニックや人間工学を使って心を操ります。

──メンタリズムは昔からあるんですか。

 私が知る最古のものは古代エジプトで神官たちが使っていた「ホットリーディング」という手法。彼らはこれでファラオ(王)を操っていました。

 ファラオがお告げを聞きに神殿Aを訪れたら、神官は「あなたの質問の答えは神殿Bに届いています」と言う。ファラオはこの世で最も速い移動手段、つまり最も俊足の馬で神殿Bまで駆けていく。するとファラオへのお告げはもう届いている。

 カラクリは単純。神殿間で伝書鳩を飛ばしていた。他にもさまざまな演出があったのでしょう。それでファラオは神を信じました。

──DaiGoさんのパフォーマンスにはどのようなカラクリがあるのですか。

 企業秘密です(笑)。でもエッセンスはお教えしましょう。

 テレビ番組でよく披露するものに、複数いる中の誰か1人に何かを隠し持ってもらい、誰が持っているかを当てるというのがある。隠し持ってもらった後、私は開口一番、「わかりました」と言う。でもね、実はわかっていない。大上段に出るのは「“権威”付け」をするためです。

 以前、お笑い芸人さんたちが変顔をして、私と目を合わせてくれないことがありました。これでは彼らの表情が読めない。そこで観客席に向かって挑発しました。

 「芸人さんは読まれてないと思っているようですが、私には見えています。実にわかりやすいですねぇ、皆さん」

 すると隠し持っている本人は「なぜバレたんだ」と焦り、周りの芸人さんも「動揺するなよ」という雰囲気になる。全員の視線が集中した先が答え。実際にはいくつものテクニックを組み合わせていますが、こんな感じです。

商談では伝えたい部分を
声や動作で強調する

──メンタリズムはビジネスの場面でも使えますか。

 もちろんです。大手を含め、たくさんの企業から研修や講演の依頼を頂いています。まずは初級編として、相手との距離を縮める会話術をお教えしましょう。

 相手の口の周りの筋肉を見てください。話が面白くて集中して聞いている場合、口の周りの筋肉が自然に緩み、軽く歯が見えるくらいに開かれる。逆に「への字」は否定のサイン。話題を変え、相手に話をさせてあげましょう。

 次に上級編。商談の場面で効果的な手法に「マーキング」があります。相手に伝えたい部分を声の大小、トーン、話す速度、動作など何らかのかたちで強調する。それと、「決める」「買う」を連想させる「お得」「経済的」などのフレーズを会話にちりばめる。購入後の使い心地や役立つ場面を想像させるような単語もいいでしょう。会話の大事な部分で一呼吸入れて間をつくる「サイレントフォーカス」も効果的。間を取りすぎると、おかしいから気を付けてください。

──部下のマネジメントに有効なものはありますか。

 指示をしても言い訳して反抗する部下がいる場合、彼の「断りたい」という心理を利用します。「こういうことを君にやってほしくて、簡単な資料もある。でも今、君はすごく忙しいよね、見る時間すらないよね」と言えば、「確かに忙しいですが、できると思います」と返ってくるでしょう。

 あるいは、こまめに連絡を入れてこない部下がいる場合、たまに連絡してきたときに「いつもこまめに連絡してくれてありがとう」と言う。すると本人は「そんなつもりはなかったけど、ほめられた」と意識し、自発的に行動するようになるでしょう。

 人はきちんと認識できる状態で何かを命令されると、それに反発したい感情が起こりやすい。けれども自分自身でこうしようと思ったことには反発しません。相手への言動に伝えたいメッセージをこっそり埋め込み、強調することで、相手の無意識に働きかけるのです。

ショービジネスは通過点
海外で研究を重ねたい

──最後に、なぜメンタリストになったのですか。

 薬剤師である母の薬学関連の書を絵本代わりにして育ち、幼いころから科学的な法則に関心があった。人間の脳を工学的に作る夢を抱き、大学で人工知能の材料を研究しました。マジックも好きだったので友人とショーを開くようになり、そのころ、人間の心理に興味を持った。それでメンタリズムを実践するようになりました。

──ショービジネスを続けていきますか。

 テレビでパフォーマンスをするのは最終目標ではありません。海外でもっと研究を重ねたいと考えています。



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この連載について

心理入門 効果絶大!  ~人の心を動かす技法~

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