会社勤めをしながら大学院に通って博士号を取得し、論文を何本も書き、大学教授たちとも交流を深めて人脈を築いてきた。ならば、これで晴れて社会人から大学教授になる道が開けたかというと、事はそう単純ではない。東京大学やハーバード大学といった超一流大学で博士号を取得し、論文を書いて実績を積み上げても、大学教授として採用されるとは限らないのだ。
なぜなら、「大学の求める学問には“旬”があるからだ」と複数の大学教授たちは言う。つまり、いくら実績を積み上げても、専攻した学問が大学側の求めるニーズにマッチしなければ、教授への道は開けないのだ。
無論、旬のテーマを見極めるのは簡単なことではない。しかし「どうやってきっかけを掴んだか #2 先駆者になれたこと」で紹介したように、テレビドラマの脚本家から米国で最新のNPOの研究を手掛け、北海学園大学の教授になった樽見弘紀氏の例もある。だが、樽見教授のように、全く新しい分野に踏み出すのもそう簡単なことではない。
そこで本誌では、今、大学側が求めている学問領域、すなわち狙い目の分野を示した。
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