内弁慶」というシグナル

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

第4章 こじらせないために親がすべきこと

「内弁慶」というシグナル

 敏感な子の中には、幼稚園や学校では「泣かない」「言わない」「不満を出さない」で通して、家では家族に激しくあたる「内弁慶」の子がいます。そういう子は、じつは外で「泣けない」「言えない」「不満を出せない」のです。
 そして、そのストレスを家でお母さんにぶつける。「あれやって」「これやって」「こうしてくれなきゃイヤだ」「それじゃダメ」とわがままを言い、気に入らないと泣きわめき、依存心が強い一方で、生意気な口をきいたりして、小さいながらも暴君のようにふるまいます。
 手に負えなくて困ったお母さんが園や学校の先生に相談しても、ふだん外ではとてもおとなしい子で通っていますから、「気にしすぎですよ」「お母さんに甘えているだけじゃないですか」と真剣に請け合ってもらえない。
「でも先生、本当に扱いにくい子なんですよ、この子と向き合っていると、疲れ果てます」
 そう言って、涙目で私に訴えてくるお母さんもいます。
 こういう内と外とのギャップがある子どもの心では、何が起きているのでしょうか。

 内弁慶になる心の仕組みは、「人生の三角形」という考え方をすると、非常に理解しやすくなります。

 この図を見てください。強い他人からされたことを、表の自分が裏の自分にして、自分から弱い他人にやってしまう、こういう三角形が描かれています。
 これは、リズ・ブルボーという心理学者が描いた図です(『五つの傷 心の痛みをとりのぞき本当の自分になるために』リズ・ブルボー著 浅岡夢二訳 ハート出版)。
 これをいまの内弁慶の話に応用してみましょう。
 外では、他人からいろいろなことを言われたり、されたりします。前に説明したように、相手にはその気がなくても、受けとめ方によってどんなことでもストレスになり得ます。そのとき、「イヤだ」とか「違う」とか「やめてほしい」と感じても、その感情を相手にストレートに返せないのが、内弁慶タイプの子です。
 そして、家に持ち帰り、わがままが言えるお母さんにドサッと渡す。外で感じたストレスを家でばらまくのです。
 この三角形には「自分が自分に対して」という矢印があります。ここが重要です。お母さんにぶちまける前に、もうひとステップあるのです。表の自分(体)がやられたことを、裏の自分(心)に対してしてしまう。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

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_daisylily "この図を見てください。強い他人からされたことを、表の自分が裏の自分にして、自分から弱い他人にやってしまう、こういう三角形が描かれています。  これは、リズ・ブルボーという心理学者が描いた図です" https://t.co/XMr47Y3xxd 9ヶ月前 replyretweetfavorite