解離のパターン
解離の人格には3タイプあります。
ひとつは、自分が弱くて現実に耐えられないために別人格を生み出すタイプの解離です。その人格はその時々の耐えられない感情を担って本人を救った存在です。何歳のときの自分とわかっています。いつもは心に内在していますが、時に表に現れます。
2つ目は、自分でないものが心に内在しているタイプです。過剰同調して、生きている人や亡くなった人の念を取り込んでいます。一時のことではなく、長い間心に住みついていたりします。
3つ目は、自分が勝手に想像し、思い込み、作り出したタイプです。そうあったらいいという思いがたくさんのお気に入りの人格を作り出します。
意識がここにない、思考と感情と感覚がバラバラ、そういう状況が解離状態であるといえます。
HSCは解離がたくさん起こっています。自分が自分でなくなっている。そういう状態になっている子がたくさんいます。表面上はわかりませんので、チェックリストを用いて把握します。
多くの精神科医は解離症状を十分に理解していないので、幻声が聞こえたら統合失調症と診断しがちです。つまり医学では説明のつかないこと、診断しようのないことに統合失調症という病名をつけた。そのため「統合失調症はゴミ溜めだ。よくわからないと何でもそこに入れておく」と、かつて専門家の間では言われてきたのです。
しかしいまは、幻覚、妄想があっても、統合失調症とは限らないぞ、という認識になってきました。解離という状態がわかってきたからです。
統合失調症の人も、解離の人も、幻声が聞こえるわけですが、中身がちょっと違います。
統合失調症がある人は自分が病気だという意識がないので、「それは変でしょ?」とこちらが聞いても、「いや、変じゃない。あなたがわからないだけです」と言います。
解離の人たちは、「それ、変でしょ?」と聞くと、「そうですよね、変だと自分でも思うんですけど、そう感じるんですよ」とか「変ですよね、でも聞こえるんです」と言います。
HSCの子たちも、見えたり、聞こえたり、感じたりしているのです。天使が見えたり、小人が見えたり、小さいときからいろいろなものが見える子もいます。
これは病気といっていいのか、そういう特性といっていいのか、難しいですけれども、病気と考えてよいのは自分で自分がコントロールできなくなった場合です。
普通の子の中の8パーセントに幻声体験があることがわかっていますが、多くは、それを怖れず異常なことと思わずに、対話しながら遠ざけていくことができるようです。
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