渋沢の家で、セツ子と渋沢の密会を目撃してしまった百鳥ユウカ。
こっそり隠れていた浴室の窓から、するりと抜け出して急いでセツ子宅に帰ってきた。
「セツ子と渋沢はどんな関係だったんだろうか?」
ユウカは、はぁはぁと息を切らしながら、彼らの会話を思い出していた。
どうやら、私が来る以前、二人には関係があったみたいだった。 そう言われてみれば、心当たりがなくもない。 でも、なんというか、セツ子さんも心の恋人はフランスにいるし、渋沢さんも仕事を優先しそうだし、なんだか割り切った関係ぽかった。
ユウカはセツ子宅に居候している身で、そんなに強くは主張できないけど、一応はセツ子に対して釘を刺しておく必要を感じた。
「渋沢さんは、もう私のモノなんだから、ちょっかいを出さないで、っていうくらいは言っとかないとな。渋沢さんはけっこう性欲が強いから、気の迷いとかもあるかもしれないし」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。