1883年撮影。渋沢史料館所蔵
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一。生涯を通じてさまざまな事業を起こし、また、それらの事業を継続して発展させる、企業者としての活動に精力を傾けてきた。
渋沢が関わった幾多の事業群には、大きく二つの特色がある。
第一は、西洋の新しい技術や知識をベースにした事業が非常に多いということ。
第二は、近代社会の基盤(インフラストラクチャー)形成に関わる事業を通じて、日本の経済社会全体の発展を目指したことである。
もちろん、その両方の特色を有する事業も多数存在する。渋沢が1873年の創立から1916年まで総監・頭取の地位にあった第一国立銀行(後の第一銀行)が、その一例である。
金融という、社会基盤を担う銀行業に類似するものは江戸時代にすでに存在していたが、渋沢はそこに西洋式簿記などを導入して発展させた。
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