ダイヤモンド」が伝えた渋沢栄一の実像(2) 1930年10月1日号より

諸井恒平(秩父セメント社長)による渋沢栄一の思い出

“澁澤の裸は、白い肌に赤みがさして、 燃える様に美しく、男でも見とれるくらいであった”

「セメント王」と称された諸井恒平は渋沢家の親戚に当たり、渋沢の母には小さいころからかわいがってもらったという。記事中でも渋沢の母との思い出話がつづられている。そんな間柄のせいか、渋沢とは裸の付き合いだったようだ。

 実業家の中で、暁天の星ともいうべき人物は何といっても澁澤翁であろう。

 大体澁澤は、天性の素質が優秀なのだ。お父さんもお母さんも立派な人であった。澁澤はこの両親の美質を受け継いで生まれた。澁澤は、知能が優れているばかりでなく、その体質もまた実に偉大なものである。

 僕はつい何年か前までは、よく澁澤の裸を見たものだが、その身体といったら、実に見事なものだ。僕は全盛時代の常陸山と比較して、なんら遜色ないと思った。ただ、常陸山の皮膚は赤銅色だが、澁澤のは桜色だ。白い肌に赤みがさして、燃える様に美しく、男でも見とれるくらいであった。とても八十歳の人とは思われない。医者が澁澤は普通人より二十年若いといってるそうだが、本当に若々しい。

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週刊ダイヤモンド 2019年5/11号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-05-07

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令和」の顔 渋沢栄一解剖

週刊ダイヤモンド

「令和」という新時代の幕開けとともに、紙幣の刷新が発表された。新たな1万円札の“顔”となるのは、渋沢栄一である。「日本の資本主義の父」と称される男は何を成し遂げたのか、解剖する。 ダイヤモンド編集部・大矢博之、深澤 献  ※『週刊ダイ...もっと読む

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