嫌われる勇気

第四夜 vol.4 哲人は断言する。「勇気を持つ条件はひとつしかない」

他人を叱ったりほめたりすることは人間関係を「縦の関係」で捉えている証拠。大切なのは「横の関係」だと哲人は青年を説得しました。しかし、一時は納得した様子を見せていた青年は、哲人の「勇気づけ」という言葉を聞くやいなや、前言と矛盾していると激しく糾弾します。「勇気づけ」と「ほめる」ことの違いとは一体何なのでしょうか?

縦の関係から横の関係へ

哲人 課題の分離について説明するとき、「介入」という話をしましたね。他者の課題に対して、土足で踏み込んでいくような行為のことです。
 それでは、どうして人は介入してしまうのか? その背後にあるのも、じつは縦の関係なのです。対人関係を縦でとらえ、相手を自分より低く見ているからこそ、介入してしまう。介入することによって、相手を望ましい方向に導こうとする。自分は正しくて相手は間違っていると思い込んでいる。
 もちろんここでの介入は、操作に他なりません。子どもに「勉強しなさい」と命令する親などは、まさに典型です。本人としては善意による働きかけのつもりかもしれませんが、結局は土足で踏み込んで、自分の意図する方向に操作しようとしているのですから。

青年 横の関係を築くことができれば、介入もなくなる?

哲人 なくなります。

青年 でも、勉強の例ならともかく、目の前に苦しんでいる人がいたら、放置することなどできないでしょう? それも「ここで手を差し伸べるのは介入だから」と、なにもしないのですか?

哲人 見過ごすわけにはいきません。介入にならない「援助」をする必要があります。

青年 介入と援助の、どこが違うというのです?

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嫌われる勇気

岸見一郎 /古賀史健

「世界はどこまでもシンプルであり、人はいまこの瞬間から幸せになれる」――古都のはずれに、そんな持論を語る哲学者が住んでいました。人間関係に苦悩し、人生の意味に悩む「青年」は、到底納得することができず、その真意を確かめるべく哲学者(哲人...もっと読む

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コメント

hana713gon 感謝と喜びを伝える…簡単だけどとても難しい。 4年以上前 replyretweetfavorite

tommynovember7 僕が褒められると機嫌が悪くなる理由、そして、褒めて伸ばす的な言説の欺瞞がここに。 約5年前 replyretweetfavorite

kobeni 子供にも「偉いね」よりも「すごいじゃん」とかの方がいいのかなーとか思った。 約5年前 replyretweetfavorite

fumiken 【嫌われる勇気】"人は他者からほめられるほど、「自分には能力がない」という信念を形成していく。よく覚えておいてください" ⇒ 約5年前 replyretweetfavorite