ディフェンスがボールを奪いに来たときこそ絶好のチャンス!

これまでドリブルでディフェンスを抜く方法を論理的に解説してきましたが、実際の試合ではディフェンスが動くので一筋縄ではいきません。今回は、ボールを奪いにくるディフェンスへの対応を、3つのパターンに分けて解説します。

逆算からの勝利の仕組み〜Not10ゲーム〜

これまで、ドリブルで目の前の敵を抜くために「絶対に勝てる間合い」に忍び込む方法や、抜くときの技術を説明してきました。しかし、実際はそう簡単ではありません。なぜならディフェンスは常にあの手この手を使ってボールを奪いにくるからです。

このことを考えるために、まずは簡単なゲームをご紹介したいと思います。「Not10ゲーム」をご存じでしょうか? 2人で「1」から順番に数字を言い合って、「10」を言ったほうが負けというルールのゲームです。一度に言える数字は3つまでです。

では、まずはやってみましょう。僕からいきます。

岡部 : 1
あなた : 2
岡部 : 3、4、5
あなた : 6
岡部 : 7、8、9
あなた : 10(負け)

このように書いてしまうと、あまりにも一方的すぎますね。もちろん、あなたは自分の1回目のときに「2」ではなくて「2、3」とも「2、3、4」とも答える権利がありました。

もしも違う答えを出していたら勝っていたのではないか?と思ったかもしれません。でも、このゲームは絶対に僕が勝つと決まっていたんです。下の図を見てください。

この図を見てわかるとおり、1回目であなたが「2」「2、3」「2、3、4」のどれを言っても、僕は「5」で止めることができます。次も同じように、あなたが「6」「6、7」「6、7、8」のどれを言っても、僕は「9」で止めることができます。

「10を言ったら負け」ということは、「9を言えたら勝ち」です。そして「9」を言うためには、「5」を言えたら勝ちです。さらに、「5」を言うためには「1」を言えたら勝ちなのです。

もうおわかりでしょうか。このゲームは、どんな形であれ僕が最初に「1」を言った時点で、僕がミスをしない限り僕の勝ちが確定していたというわけです。

では、このNot10ゲームとドリブルに、いったいどんな関係があるのでしょうか?


3つの勝ちパターン

このNot10ゲームでは勝利が確定するのは「9」を言った瞬間ですが、その一歩手前の「5」を言った瞬間を考えてみてください。どうして「5」を言ったらゲームに勝つことができるのでしょうか?

それは相手が目一杯言っても(「6、7、8」と言っても)、「9」には届かないからです。この目一杯言っても届かないというのは、「ディフェンスが目一杯足を伸ばしてもギリギリ届かない距離」に似ていると思いませんか?

実は99%抜けるドリブル理論は、Not10ゲームとよく似た理屈の理論なのです。Not10ゲームは、相手が目一杯言っても届かない「5」が言えれば、次に相手にどんな手を出されても必ず勝てます。ドリブルも相手が目一杯足を伸ばしても届かない距離にいれば、ディフェンスがどんな手を打ってきても必ず勝てる、ということです。

この「相手が目一杯足を伸ばしてもギリギリ届かない距離」のことを、「5の距離」と呼ぶことにします。 「5の距離」を保つ技術があれば、確実にディフェンスを抜くことができるということを、もう少し細かく説明していきましょう。5の距離を保っているときのディフェンスの対応は、3つのパターンに分けることができます。

これをNot10ゲームと対応させて見ていきます。自分が「5」を言った場合、相手の対応と、それに勝つための自分の対応は以下のようになります。

(1) 相手が「6」→自分は「7、8、9」
(2) 相手が「6、7」→自分は「8、9」
(3) 相手が「6、7、8」→自分は「9」

これを99%抜けるドリブル理論に当てはめてみましょう。自分が「5の距離」にいた場合、ディフェンスを抜けるパターンは以下の3種類です。

(1) 相手が「6」=消極的な待つだけのディフェンス

自分は「7、8、9」=円状に迂回して 必勝の角度へ

相手が待つだけの消極的なディフェンスの場合、相手は動かないのですから自ら動いて勝てる状態を作ります。迂回してドリブルしながら「絶対に勝てる間合い」に忍び込んで駆け抜けることで抜くことができます。

(2) 相手が「6、7」=やや足を出して来るものの、中途半端なディフェンス

自分は「8、9」=重心の逆をついて抜く

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99%抜けるドリブル理論入門

岡部将和

ほぼ確実にドリブルでディフェンスを抜く方法があります。その方法と、それを実践するテクニックを身につければ、誰でもディフェンスを抜けるようになるのです。そうなったらサッカーはもっと楽しくなるはず。現役日本代表にもドリブルを伝えるドリブル...もっと読む

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