マレーシアに来て、まだまもない頃、学校の個人面談がありました。
子どもからは、「たぶん、怒られると思うから覚悟しておいて」と言われ戦々恐々です。
当時、クラスの父兄で作っていたグループチャットで「行きたくないなー」とぼやいていたら、華人のママ友が一言いうのです。
「行きたくなければ、行かなければいいのよ〜」
そ、そうなの?
「私も行かなかったよ」
長年付き合ってきた華人の友達も「私も私も! 行かなくて大丈夫だよ」と賛同してるではありませんか。
ちなみに、別の友達に聞いたら「そりゃ行くべきでしょ〜」って言ってましたが、こういう「多様性」がマレーシアの面白いところです。
そうか。嫌なら行かなくていいのか〜。
日本では思いもつかなかった選択肢です。
でも、おかげでなんか気持ちが軽くなり、気楽に行くことができました。
この学校は小学校から、教科担任制をとっています。
そのため、個人面談は、全部の担当教科の先生と話すわけです。
行ってみたら、体育館にズラーっと40人くらいの先生が並んでいて、そこに各自父兄が列を作って、好きなだけ話すと言うスタイルでした。
中には、先生と30分も40分も話し込む保護者もいます。
しかし、よくみたら、半分くらいの保護者は来ていませんでした。
何だ、これでいいのか、と私はほっとしたのです。
行事も出たり出なかったりする人々
マレーシアの学校ではこのように、個人の判断で行事に参加したり参加しなかったりすることがあります。なかには、試験のあとは家族で旅行するので、学校をお休みしますと言う家庭もあります。その子はまだ授業のある友達に韓国旅行の写真を送ってきましたが、みんなそれを気にするふうもありません。
長男が通った学校では、遠足などの行事も自由参加でした。すると、「うちは参加しません」という家庭があるんです。
学校の運動会も「バカンスだから」と休んでいる家庭がありました。家庭の行事優先なんですね。
背景には宗教的な問題もあります。例えば、イスラム教の断食期間には、ランチの時間も、断食中の子どもたちは昼食を食べないで、別室にいたりします。しかし、ムスリムと言ってもいろんな方がいるので、必ずしも全員が同じ行動をとるわけではないのです。
さらにいえば、学校なんて別に絶対行かなくてもいいんじゃない?って思ってる親が結構います。
ホームスクーラーと言って、一定の条件を満たせば家庭や塾のような場所で教育してもいいようです。ただし、最近のマレーシアではあまりにもホームスクーラーが増えすぎて、その教育の質が問題になっていたりします。
私が働いていた企業にもたまに社外の行事や飲み会(!)がありました。しかし参加は割と自由で、「家族の予定があるから」と必ずいう人が出てきます。「家族の予定じゃ仕方ないね」と。
ここまで読んで、そんなの許せない、とイライラするという人もいるでしょう。
良し悪しではなく、そういう人は、日本のほうが向いているということです。
いろんな人がいると心が楽になる
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