#2 日本思想
古来、日本に存在した自然崇拝としての原始神道(古神道)が、神道へと発展していった。特に天武天皇のころ、天皇は神の子孫であるという神話イデオロギーが成立した。538年、仏教が正式に日本に伝えられて以降は、仏教が権力闘争の道具として利用される形で、一気に日本思想のメインストリームとなっていった。
奈良時代には鎮護国家思想の下、盛んに国家仏教が形成され、鎌倉時代には民衆にも広がり、革新的な宗派が次々と生み出されていった。禅もその一つだが、とりわけ近代において鈴木大拙が英語で世界に広めたことで、日本を代表する思想になっている。
武士道もまた海外の人たちを魅了してやまない日本の思想の一つである。新渡戸稲造の『武士道』が有名だが、実は本来の武士道は戦国時代に戦のための指南書として誕生したものである。
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