世界のエリートがはまる東洋思想
世界のエリートたちの間で今、東洋思想が空前のブームとなっている。とりわけ世界経済をけん引する米国シリコンバレーでは、レジェンド的存在といえる故スティーブ・ジョブズ氏が禅の愛好家であったこともあり、多くの起業家やITエンジニアたちが、禅やヨガによって精神を安定、統一させる動きが広がった。昨今、日本でも耳にするようになった「マインドフルネス」のための瞑想もその延長線上にある。なぜなら、マインドフルネスは、仏教の瞑想をエクササイズへと応用したものだからだ。
ビジネス界のみならず、アカデミズムも同様だ。米国東部の名門大学、とりわけその最高峰といえるハーバード大学では、数年前からマイケル・ピュエット教授による中国思想の授業が人気を博し、そこで学んだエリートたちが中国思想の教養を携えて各界に進出している。さらに最近では、NHKの「ハーバード白熱教室」でおなじみのあのマイケル・サンデル教授までもが、中国哲学に触手を伸ばしている。西洋社会はポピュリズムや移民など多くの問題を抱え、今精神的に行き詰まりを感じているのは間違いない。そんなとき、心を落ち着かせてくれる禅をはじめとした日本思想や、合理主義一辺倒の西洋哲学とは異なる価値観を提示してくれる中国思想に関心が向かうのも無理はない。
そんな世界のエリート必須の教養を、日本人が知らないというわけにはいかない。ぜひこの機に東洋思想の基本を身に付けてほしい。世界と闘うための武器として。
#1 中国思想
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