わかりやすい伝え方の法則 【第6回】 教えるのが上手い人の特長とは

世の中には教えるのが上手い人と、そうでない人がいます。その違いはどこにあると思いますか? トーク? 知識の深さ? 情熱? いいえ、違います。「相手が何を考えているか」がわかる人です。 教えるのがうまい人は、相手がどこでつまづいているのか、どこを勘違いしているのかがわかります。そこを指摘してあげられるので、結果として「教え方が上手」になるのです。

世の中には教えるのが上手い人と、そうでない人がいます。その違いはどこにあると思いますか?

トーク? 知識の深さ? 情熱? いいえ、違います。「相手が何を考えているか」がわかる人です。

教えるのがうまい人は、相手がどこでつまづいているのか、どこを勘違いしているのかがわかります。そこを指摘してあげられるので、結果として「教え方が上手」になるのです。

そして、教えるのが上手くなるかどうかは、相手をどれだけ見ているか、どれだけ相手に関心を持って「この人だったら、こう考えるかもな・・・」と感じ取れるかにかかっているのです。つまり、あなたの内面的な能力ではないのです。

「教え上手」になるためには、あなたの内面を磨くだけでは不十分です。いかに相手のことを思って、相手の考え方を受け入れ、相手がつまづいているところを見つけるかなのです。

生徒を見ていない教師が「教え上手」になれるはずはありません。ずっと黒板に向かって話している大学教授は「教え上手」にはなりえません。いくら机に向かって勉強しても「教える力」は身につきません。

羽生善治さんの『大局観』(角川書店刊)に、「コーチングのこつ」が書かれていました。まさに同じ事を指摘されていらっしゃいます。

将棋を教えるときに肝心なことは、教わる側は何がわかっていないかを、教える側が素早く察知することだと考えている」(P89)

この指摘は、「将棋を教えるとき」に限りません。誰かに、何かを伝える・説明する・教えるときには、すべて当てはまる重要なことです。

よく「天才は、先生に向かない」といいます。スポーツでも、勉強でも自分がなんでも簡単にできてしまうと、なぜ相手ができないのかがまったく理解できません。だから、教師には向かないのです。つまり、「できる」「知っている」と「教えられる」は違うのです。

教えられる人は、知識が豊富な人でも、それが上手な人でもありません。相手が、どこでつまづき、何が理解できないのかがわかる人、そしてそれを相手が消化できるように加工して伝えられる人なのです。

本来、教職を目指す大学生が「最初に学ぶべきこと」はこれです。一生懸命、知識を詰め込んでも「教えられる人」にはなりません。そもそも、「学ぶ」と「教える」はまったく違う能力なのです。

この違いを知ることは本当に大事です。「教える」「伝える」とは何か? どんな能力が必要なのか? それが教師に一番必要な知識かもしれません。

相手に伝わっていないなと感じた時、自分のトークを磨くのではなく、深い知識を身につけようとするのではなく、まずは相手を見てください。相手に興味を持って接していれば、おのずとその人の頭の中が見えてきます。

それが教える力を上げる第一歩です。

「伝える」のは、「誰に」「何を」が9割

相手にわかりやすく伝える、わかりやすく教えるためには、まず、「誰に」「何を」伝えるのかを明確にしなければなりません。これが、わかりやすく伝えるための第一歩です。「わかりにくい話」になる最大の要因は、この作業をきちんと行わないことにあります。

皆さんにも、経験があると思います。あれこれ話しをするけれども、要するに何を言いたいのかがわからない・・・。そういう人が、みなさんの周りにもいると思います。

なぜ、そうなってしまうのか? 何が言いたいのか本人もわかっていないからです。本人も何が言いたいのかわからないことを、相手に伝えられるはずがないのです。

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