使える哲学

カリスマ経営者たちの思考法 #3 岡藤正広

【哲学で読み解く「頭の中身」】
カリスマ経営者たちの思考はいったいどのようなものなのか。本誌等に掲載されたインタビュー記事を基に、議論の方法やその論理に焦点を当てながら分析していこう。

商人魂に隠された
「三方よし」の繊細

 伊藤忠商事代表取締役会長CEOの岡藤正広氏は大阪府出身であり、まさに関西の商人というイメージを持たれることが多い。伊藤忠は近江商人をルーツに持つことで知られるが、岡藤氏の豪快で愛すべきキャラクターに、日本全国を行脚して活躍したかつての商人の姿を重ねる人も多いだろう。

 岡藤氏は、中国への巨額投資や社内の勤務体制の改革など、豪快というにふさわしい経営プランを実行してきた。一方でこれまでの彼の発言を振り返ると、意外なことに、繊細かつ慎重ともいえるほどの思考を垣間見ることができる。

 彼のそうした慎重さは、例外を大事にし、推論の誤りを気に掛けるときに現れる。

 「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」14年12月号で具体的に見ていこう。岡藤氏は他の多くの経営者と同じように、企業は長期的に右肩上がりの成長を続け、企業価値を上げなければならないと考える。伊藤忠も含め多くの企業は長期的な成長プランを例えば「10年後のビジョン」といった形にまとめ発表する。しかし、そうした未来は「ほとんどの場合、実現されない」と認める。

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週刊ダイヤモンド 2019年6/8号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-06-03

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「物事の本質は何か?」「人間とは何か?」「正しいとは何か?」──。そんな答えの見えない難問に、人は2500年にわたって挑んできた。この間、連綿と培われてきた哲人たちの洞察や思考スキルが、ビジネスや仕事に使えないはずがない。先の見えない...もっと読む

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