縦へのドリブルが中への道も切り開く
皆さんに「縦と中、どっちへドリブルすることが多いですか」と聞くと、多くの人は「中」と答えます。この理由としては、左利きの選手は右サイドから、右利きの選手は左サイドから中に向かってドリブルすれば、利き足を使ってパスやシュートができる、つまり次のプレーにつなげやすいからだと思います。
しかし、「99%抜けるドリブル理論」では、まず縦へのドリブルを極めることを推奨しています。その理由は2つあります。1つ目は最も速いドリブルだから、そして2つ目は縦ができると中への道も切り開けてくるから、です。
当たり前ですが、横に行くより縦に行くほうが速く走れます。自分が出せる最速の一手を極めることが相手にとっての脅威となります。
ドリブルで抜くためにはディフェンスの背後を突く動きが必要です。背後をとるには横に行くより縦に行くほうが効果的ですし、縦のドリブルで背後をとろうとすればディフェンスは自然と後ろ重心になります。そうすると、オフェンスの動きに対応するのが難しくなるのです。僕がまず縦のドリブルを勧める理由はここにあります。
ちなみに縦のドリブルで後ろ重心にさせるのは、対峙しているディフェンスだけではありません。縦へのドリブルでディフェンスを抜き去ろうとしたとき、その近くにいる別のディフェンスはどう動くでしょうか? 当然、キーパーと1対1の状況を防ぐために抜かれた先のスペースをカバーしてきますよね。つまり、縦のドリブルには相手チーム全体の重心を押し下げる効果もあるのです。
さて、縦のドリブルは最も速いドリブルですが、ドリブルの速度を自分の限界まで引き上げていくと、ボールがない状態で走っている速度(素走りの速度)と等しくなります。そのため、ドリブルが得意な選手は練習を重ねて、ドリブルのスピードを素走りに近づけようとします。
どうすれば自分の限界までドリブルのスピードを上げることができるでしょうか? それには、ボールを蹴り出してから走るのではなく、走る動作の中にボールを蹴る動作を組み込みます。素走りの場合、ボールを蹴って前に押し出すという動作はありませんよね。ドリブルが素走りよりも遅い理由はここにあります。もしもこの動作を素走りの動作に近い形で行なうことができれば、自分の能力で出しうる最も速いドリブルが可能になるのです。
中に行きたければまず縦へ
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