びっくり!豪華客船の旅。 クルーズ旅行の本当のところ徹底リポート

旅行が趣味で、ほぼ毎月のように旅行に出かけている経済評論家の佐藤治彦さん。この連載では、旅をもっと楽しく、お得にする方法、あまり知られていない旅の情報を紹介してきます。今回は、今大人気のクルーズ旅について。格安のカジュアル船でクルーズに出かけた佐藤さんが、ツアーレポートをお送りします。

長崎から出港するときの美しい夕焼け
7日間8万円弱という激安クルーズ

 安近短指向の日本人にもぴったり、安近短に加えて、楽(ラク)でもある、安近短楽な大型豪華客船のクルーズ旅についてお話しします。
 海外旅行に慣れている私でも、知ってびっくりなことが山ほどありました。今回は行ってみないとわからないクルーズ旅行の話をご紹介します。

 今回のツアーは1日目の午後3時ごろ横浜港に集合し乗船。午後6時ごろに出航し、2日目は終日航海。
 3日の朝に長崎港に到着。午後4時半まで観光を楽しみ、夕刻出航して4日目の朝には韓国の釜山港に入り、午後3時半まで観光。
 5日目は終日航海。6日目の朝に天津港に入り、下船。北京のホテルに1泊し、翌日の夕刻のフライトで羽田に戻るというものです。

 夕刻の出港時の景色はとても綺麗でした。
 天津、北京での送迎、デラックスホテル1泊のホテル代、北京から羽田への片道フライト代込みで8万円弱という激安ツアーです。
 ちなみに、船はイタリアの会社がオペレーションするカジュアル船です。

 飛行機で行く海外旅行とクルーズ船の旅の大きな違いは、チェックインする時にクルーズカードを渡されることです。

 クルーズカードは部屋の鍵であり、本人のI.D.になり、船内での支払いにも使われます。船に乗るとクルーズカードと自らのクレジットカードを紐つけ作業をするように求められます。

 私が乗った時にはこの順番待ちの人があまりにも長くて驚きました。1時間くらい待ちそうだったのですが、この作業は下船時までにすればいいとのこと。すぐにバーなどで飲み物を飲みたい人のために、少額は登録前でも使えるようになっているとわかったので、列から外れました。
 深夜に行ってみると誰もいないので、ゆっくり作業ができました。

心配していた「揺れ」はほとんどなし

 クルーズ船内でもう一つしなくてはならないことがあります。
 それは避難訓練です。

 部屋にあるライフジャケットを持って所定の場所まで(私の場合は劇場)出かけ、説明を受けて、緊急時の救命ボートの位置を確認する30分くらいの訓練です。
 ただ、3000人乗りの船なのに、私がカウントすると救命ボートは120人乗りと表記のあるものが16艘しかありません。単純計算で1920人です。3000人の乗客の他に、船には1300人のスタッフが乗船しています。
 緊急時は慌てないとダメなのかとちょっと不安に思いました。いや、きっと他の救命ボートはどこかに隠してあるのだろうと思い直したものの、映画「タイタニック」のディカプリオ気分です。ブクブクと海の底に沈んでいく自分を想像したら気持ち悪くなりました。

 乗船前の私の不安はふたつありました。
 ひとつは揺れないかということ、もうひとつは退屈ではないかということです。

 私が乗船したのは10月で、大型台風が頻発していた頃だったので、なおさら心配でした。以前3日間乗ったナイル川のクルーズ船は、川でしたから揺れませんでしたが、海ではそういうわけにはいかないだろうと思ったのです。
 心配は杞憂に終わりました。

 今の大型船にはフィンスタビライザー(安定化装置)が装着され、船の揺れは大幅に改善されています。今回も大きな揺れをゆっくり感じることはありましたが、気持ち悪くなるような揺れは経験しませんでした。

カジュアル船のショーはたいしたものはない

 もうひとつの心配、退屈についてはいろいろと対策を立てていきました。
 クルーズ船の部屋にはテレビがあり、NHKが見られると事前に説明を受けていましたが、実際は民放のBS放送が3社、40年くらい前の時代劇やドラマを放送するチャンネルとショッピングチャンネルのみ。
 イギリスのBBCなど海外の放送でニュースを見ることもできましたが、船が航行していくと位置の関係なのでしょうか、見られなくなってしまいました。
 ということで、テレビは使えません。

 そして、インターネット。
 船のネット回線は衛星のものを使うらしく、利用は有料です。乗船中利用すると2万円ほどの利用料となることがわかり、たいしたものは見ないので繋ぎませんでした。
 寄港した時の下船時にスマホでメールチェックだけ行いましたが、日本から近いところを航行している時にはスマホのアプリ・ラジコでラジオ放送が聞けたので、海を見ながらラジオを聞いていました。

 退屈かもしれないと思って持ってきた、大量のDVDが大活躍しました。
 DVDの見られるパソコンを持ち込み、部屋で映画を見たのです。今回は、映画「ゴッドファーザー」3作を見た後、「ポセイドンアドベンチャー」「タイタニック」「パーフェクトストーム」「ナイル川殺人事件」「アマルコルド」など、船が出てくる船映画を見て楽しみました。

 豪華客船なら、ショーやアクティビティなどを楽しめるのではないの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 この船でもショーはありました。
 ただ、ショーは日替わりのもので40分と短く、歌と踊り、マジック、アクロバットが混ざったものでした。これは無料で見られるので気分転換にはなったけれども、ギャグが下ネタ中心で、正直安っぽいと思いました。

 船によっては、著名な歌手のショーや落語、講演会、有名オーケストラのメンバーによる室内楽、シルクドソレイユなどのショーがあることもあります。でも、そのような場合は、そうしたエンタメが売りになりますから、販売時から告知しているでしょう。乗ってみたら思わぬ最高のエンタメが楽しめる、などとは思わないほうがいいです。

 退屈対策はしておくのに越したことはありません。

船のプールは海水!

 もちろんショー以外にも、エアロビクスやダンス、折り紙教室など、さまざまなアクティビティが有料・無料で用意されいますし、ジムなどもあります。
 私は長崎も釜山も下船して観光を大いに楽しみましたが、寄港しても船内に留まる人もかなりいました。船の生活が楽しいからです。

 そんな私が唯一利用したのが、プールです。部屋にはプール用のバスタオルも用意されていました。
 水着に着替えて出かけてみると、10メートルほどの小さめのプール。泳いでいる人はほとんどいません。その理由はすぐにわかりました。
 温水プールと聞いていたのに、水が冷たいのです。水温は25度あるかどうか。夏なら別でしょうが、さすがに10月では寒い。周りの温水ジャグジーが順番待ちなのと対照的でした。

 ただ、泳ぐのは面白かったです。
 ほとんど船の揺れは感じないのですが、プールの水面は大きく波打っていたからです。
 そして、びっくりしたのはプールの水が海水だったこと。

 係員に聞いたらクルーズ船のプールはどこも海水を使うそうです。ゴーグルを持ってきて正解でした。プールの水が冷たいだけでなく塩水では、ゴーグルを持ってきてない人は目を開けてられないはず。泳ぎたいと思う方はゴーグルをお忘れなく。

 クルーズ船の特徴といえば、食事付きということがあります。
 乗船時に、毎晩の食事のレストランと席の場所も指定されます。毎日同じ人と顔を合わせて食事をすることになるのです。
 食事はアラカルトで好きなものを注文できました。メニューも毎日少し変わります。
 ただ、全ての人が同じレストランに毎晩顔を出すとは限りません。

 というのは、船内に朝から深夜までいつでも食事が楽しめる無料で使えるブッフェと、特別にお金を払って利用できるプレミアムレストランがあるからです。
 私が乗船した時には、1日だけフォーマルナイトというものがありました。
 みなさんおしゃれをしていましたが、私は知らなかったので用意をしておらず、いつものようにカジュアルな服装でしたが、別に困ることはありませんでした。もし連れがいたら怒られたかもしれませんが。

 そんなフォーマルナイトでも普段着の人ばかりの場所がありました。
 それが最上階のブッフェです。
 ブッフェは巨大でいろんな料理がありましたが、カジュアル船だったからか、高級素材を使った、舌鼓を打つようなものはありませんでした。メニューは毎日同じです。

釜山の観光地、甘川洞文化村(カムチョンドンムナマウル)

食事は船代に込みだが、別料金のドリンクが高い

 今回の船は横浜出航ということもあったためか、客の7割以上は日本人でしたが、ブッフェに行くと朝からビールを飲んで明らかに酔っ払っている人がいます。
 でも、船内のドリンク代はとても高いのです。食事は船代に入っていますが飲み物は別。
 それなのに朝から酔っ払っている。

 朝のブッフェでは、コーヒーとオレンジ味のドリンク(ジュースではない)、お湯があるので紅茶や緑茶も楽しめますが、基本的にドリンクは有料です。
 レストランでは、ビールが6ドル、グラスワインが5・5ドルから、ジュースが5ドル。部屋の冷蔵庫に入ってる黒烏龍茶や1リットルの水が5ドルほど。さらにこれに15%のサービス料が追加されます。水1リットルが600円以上もする。

 そこで、船ではドリンクパッケージというものを勧めています。

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