新規就航で狙い目のウラジオストクと 初めてのクルーズ船

旅行が趣味で、ほぼ毎月のように旅行に出かけている経済評論家の佐藤治彦さん。この連載では、旅をもっと楽しく、お得にする方法、あまり知られていない旅の情報を紹介してきます。今回は、まもなくJALとANAが就航するウラジオストック路線について。パックツアーが瞬殺の売れ行きだそう。

モスクワ 聖ワシリイ大聖堂
新規路線開設のバーゲン価格で20万円ツアーが6万円台に

この10年間の海外旅行の不動のトレンドは安近短。安い、近い、短期期間が人気のキーワードです。 ところが、安近短の最有力候補、中国や韓国との関係悪化もあって、中国と韓国へ旅行する人が減少。行き先が限られてしまいました。
今は安近短の旅先は、台湾が人気ナンバーワン。やや近い、ベトナムのハノイやタイのバンコクも不動の人気で、リピーターとなる人も多くいます。
台湾ならフライト時間が3時間、やや遠目のバンコクも6時間くらい。
 つい10年くらい前までは香港も人気の観光地でしたが、香港自体が大きく変わったことや、特にこの半年は現地情勢もあり、いま香港に観光旅行に行こうという人は少数派でしょう。
 そんな中で、来春、新たな安近短の超有力観光地が生まれます。
 それは2月から3月にかけて、日本航空と全日空が相次いで新規路線を開設する、ロシアの東端にあるウラジオストク。
 成田から飛行時間は2時間半と、ほぼソウルと変わりません。そして、それ以外の安近短の都市がアジアであったのに対し、こちらは完全にヨーロッパなのです。

 先日発売された、日本航空を使っていく3日間ほどのウラジオストクのパックツアーは瞬殺の売れ行きで、私もブッキングできませんでした。
 新規路線にありがちなお試しバーゲン価格で、3日間で6万円弱のパックツアーが大人気なのです。

日本から2時間半で行けるヨーロッパ

 今までは、ウラジオストクはちょっと旅行通な人しか行かないマイナーな場所でした。
 行く人が少ないからアエロフロートとその提携航空会社で定期路線も独占状態。そしてツアー価格も高額。
 ざっくり申し上げて、ウラジオストクと近隣のハバロフスク4日間のツアーで20万円近くしていました。これが、日本の大手2社の参入で価格が大きく下がりそうなのです。

 特に3月の上旬から中旬にかけては前述のように、新規路線開設によるキャンペーン価格のツアーが多く組まれています。
 ウラジオストクは、これから怒涛のごとくテレビや雑誌などでリポートや特集が組まれるでしょう。そして、興味を持つ人も増えると思われます。
 そして、近いうちに台湾のような安近短の人気観光都市になる可能性も少なくありません。アジアでない初めての安近短都市。欧州好きな人にとってもパリやロンドン、ローマやウィーンなどの、他のヨーロッパの都市とも違うロシア的欧州を楽しめるのです。
 ウラジオストク観光でロシアの美しさや面白さに気がつけば、日本から最も近いヨーロッパの大都市、モスクワの人気が上がることもあるかもしれません。シンガポールにしようかモスクワにしようかといった距離感なのです。

美術館のようだといわれるモスクワの地下鉄

人気が出て高騰したら、落ち着くまで待つのがベター

 こう申し上げると、ロシアはビザが要るから面倒くさいと言われる方もいるでしょう。
 確かにロシア観光はパスポートだけでなく、ビザの取得が必要です。
 ただ、ウラジオストク1都市だけの観光であれば、ネットからビザを申し込むことができるようになりました。
 ちなみに、モスクワ、サンクトペテルブルグなど他のロシアの観光をする際に必要なビザも、数年内にネットで取得できるようになるようです。

 ウラジオストク観光に興味を持たれた方に注意しておきたいことがあります。

 現在は新規路線の開設でお試し価格の割安ツアーが発売されているが、これから人気が予想以上に高まればツアー価格がはね上がることも予想されます。
 そうなったら、人気が落ち着くまで待てばいいと思います。おそらく2泊3日、ホテル、観光、食事付きで5万円台からのツアーが定着するでしょう。
 楽しみです。私も行きたいと思います。

 旅行業界ではある観光地に狙いを定めて年に2回ほど広告キャンペーンを打ちます。
 業界全体で行うことも少なくなく、これをディスティネーション・キャンペーンといいます。
 今年の冬は東北、シンガポールなどとキャンペーンを張り、消費者の旅行への興味を喚起するのです。例えば北陸新幹線が金沢まで開通した時には、大規模なキャンペーンが行われました。覚えておられる方も多いでしょう。

 こうした旅行業界のキャンペーンはさまざまな形で行われますが、旅行価格はそのまま、むしろ高めになっていることがあります。お試しの割安価格になることもありますから、注意したいものです。もちろん狙うなら後者です。

豪華客船クルーズのキャンペーンに乗ってみた

 ディスティネーションものではありませんが、私もこの秋、あるキャンペーンに乗っかってみました。豪華客船のクルーズツアーです。
 通常より格安でお試しクルーズが発売されているのを見つけました。

 3000人の旅行客が乗船できる15階建てのクルーズ船。価格は海側のバルコニー付きの部屋で8万円弱。横浜から長崎、韓国の釜山、中国の天津(北京の近く)までの5泊6日の船旅です。北京で1泊し、帰りは飛行機で羽田まで戻ってくる7日間のツアーでした。
 通常なら14万円くらいするのですが、今回はさらにひとり部屋追加料金も格安! 通常なら一人部屋追加料金が7万くらいしてもいいものなのですが、3万円弱だったのです。

 私は今までに、エジプトツアーで3泊のナイル川クルーズ、北欧旅行中に1泊だけクルーズ船の乗船経験がありますが、クルーズ船に乗ることが目的の旅行は初めてでした。そして、とても気に入りました。クルーズ旅行にはまる人が多いのも頷けます。
 クルーズというと、アメリカのカリブ海クルーズ、南ヨーロッパのエーゲ海クルーズなど海外ものが多かったのですが、最近はアジア圏で船旅を楽しめる経済力を持った人口が増えたことで、アジアクルーズが増えてきました。

 日本人もクルーズを楽しむ人が増えたことで、この数年、ヨーロッパなどの海外の船会社が日本発着のクルーズツアーを就航し始めました。
 日本をぐるりと回るもの、日本から近隣の外国に行くもの、近隣の外国から日本の港に戻ってくるもの。いろいろあります。

カジュアルクルーズ船ならGWでも3万円台から

 クルーズの豪華客船というと、日本の船会社が運行する豪華客船・飛鳥のイメージが強いと思います。今もその豪華さは健在で、ラグジュアリーな船旅が売り物です。しかし、実はクルーズといってもいろいろとランクがあるのです。

 今回、私が乗ったのはカジュアル船という「並クラス」のもの。
 カジュアル船といっても15階建、ゲストは3000人、スタッフが1300人です。
 こうしたカジュアル船以外にも、プレミアムクラスやラグジュアリークラスの船などがあり、価格も高くなります。船内の装飾や部屋の作り、出てくる食事などが豪華になっていくのです。もちろんサービスも高品質になります。でも、私にはカジュアル船でも十分豪華でした。

 今、日本でも今までになかったようなクルーズブームが来ていますが、それは、一昨年にヨーロッパなどの船会社が定期的に日本発着のクルーズ旅行を始めたことが大きいでしょう。カジュアル船で、価格も手頃なので手が届きやすいのです。
 日程も3日からと短期のものがあります。船旅なので疲れも少なくて済みます。安近短にぴったりなのです。

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佐藤治彦

経済評論家にして旅行マニアの佐藤治彦氏が、73の国と地域を自腹で旅してわかった、旅を堪能するコツと技術! 主要な観光地を効率的に廻ってくれて、チケットやホテルの手配いらず、スーツケースも運んでくれて、何かと便利なパックツアー。一方、自...もっと読む

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snow_clarinet ウラジオストク行ってみたい… 新規就航で狙い目のウラジオストク と 初めてのクルーズ船|佐藤治彦| 11ヶ月前 replyretweetfavorite

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