そもそも「人生会議」とは
小籔千豊が酸素チューブを鼻に入れた入院患者を演じた厚生労働省「人生会議」の啓発ポスターが批判を受け、自治体への発送をやめた件が話題になった。ベッドに横たわった小籔が顔をしかめながら、「まてまてまて俺の人生ここで終わり? 大事なこと何にも伝えてなかったわ」に始まる長文のつぶやきは、「こうなる前に、みんな『人生会議』しとこ」と締めくくられる。厚生労働省は「患者団体の方々等から、患者や遺族を傷つける内容であるといったご意見を頂戴」したことを理由に、公開・掲載を停止した。
「人生会議」とは、「ACP (アドバンス・ケア・プランニング)」の愛称。「人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組み」(厚生労働省)を広めるために、2018年から使用されてきたものだが、正直、耳馴染みがない。「人生会議」との愛称が選ばれた理由には、「意味が明確な単語の組み合わせにより、日常会話に浸透していくことが期待できる」「家族等、信頼できる人たちと輪を囲んで話し合う、というイメージが湧く」とある。病床で独り、苦い顔をしているポスターの出来を見ると、その狙いからは明らかに逆行している。
国家が「人生」に介入してくる感覚
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