週刊ダイヤモンド
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令和」の顔 渋沢栄一解剖
「令和」時代が幕を開けた。祝賀ムードを盛り上げるためか、財務省は2024年度上半期をめどに、紙幣(日本銀行券)を刷新すると発表した。
新たな“顔”に選ばれたのは、1万円札が渋沢栄一、5000円札が津田梅子、1000円札が北里柴三郎である。
この人選からは、政府が令和時代で目指す、日本の将来像が強く伝わってくる。とりわけ、流通枚数が約100億枚と最も多い1万円札の肖像画が、教育者の福沢諭吉から実業家である渋沢に切り替わることは、経済をてこ入れしたい政府の願望があるのだろう。
実際、財務相の麻生太郎は「新たな産業の育成、女性の活躍、科学技術の発展など現代にも通じる諸課題に尽力しており、新元号の下で新しい日本銀行券にふさわしい人物」と述べている。
「日本の資本主義の父」と称され、約500社の創設に関与したとされる渋沢。メガバンクに鉄道、ガス、電気などのインフラ、そしてビールなどの製造業。渋沢が関与した企業・事業は38都道府県にわたっており、日本や地域を代表する企業も数多く残る。また企業だけではなく、商法講習所(現一橋大学)や日本女子大学校など、教育機関の設立にも携わっている。
株式会社という組織や、銀行という金融システムを日本に根付かせ、教育機関まで幅広く手掛けた渋沢は、まさに近代日本の土台を築いた人物なのだ。
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この連載について
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「令和」という新時代の幕開けとともに、紙幣の刷新が発表された。新たな1万円札の“顔”となるのは、渋沢栄一である。「日本の資本主義の父」と称される男は何を成し遂げたのか、解剖する。 ダイヤモンド編集部・大矢博之、深澤 献 ※『週刊ダイ...もっと読む
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