かっぴーの「超現代的」な文章術

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は、漫画家・かっぴーさんの“シェアされまくる文章”について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。


かっぴーの弱気力
あやふやだけど、正直だから、誠実に見える。


まわりの意見に流されずに、自分の意見ははっきり伝えるべき。
と、言われてしまったら、なかなか否定しづらいもんです。

たしかに自分の意見をずばっと言い切る人には、ついていきたくなる。
もしも意見というものが、ただ「相手を説き伏せるための表現」なら、
とにかく断定的に語るマッチョさがあってもいいのかもしれません。

でも私は、かならずしも「はっきり伝える」のが正義だとは思わない……んですよね。

ためらったり、曖昧だったり、よくわからないままに、なんとなく言葉を発してしまう。
そんな風に明確な答えを持たずに、そのまま文章に出したほうがいいこともあるんじゃないかって思うんです。

わからないことを、がんばって言語化しようとするより、
そのまま正直に「わからない」って文章にしたほうが、
みんなに共感してもらえるかもしれない(今まさに私はその書き方を実践してるんですけど)。

そんなふうに考えるようになったのは、
「かっぴー」という漫画家さんのブログを読んだからなんです。


かっぴーさんは、雑誌ではなくてインターネットで人気が出て、有名になった漫画家さん。
だからとにかく「インターネット向き」な作品が多いんですが。
かっぴーさんが書くブログはと言うと、やっぱり「インターネット向き」。
ついSNSでシェアしたくなる、共感できる記事ばかり。
文体も、読み手に語りかける口調が特徴的です。

で、どこがポイントかというと。
とにかく「思う」「感じる」など、語尾を曖昧にする言葉が多いこと!

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三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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m3_myk cakes連載更新されました! 漫画家かっぴーさん(@Ito2Nora)の「文章」について。 文章にも時代の流れはある。 クリスマスの夜にどうぞ🎄 https://t.co/QtFnZaTvHA 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

m3_myk cakes連載更新されました! 漫画家かっぴーさんの「文章」について。文章にも時代はあると思う。 クリスマスの夜にどうぞ🎄 https://t.co/QtFnZaTvHA 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

shigekey "わからないなりに結論めいたことを書くよりも、 わからないことはわからないって書く方が、今は、誠実さが伝わるのかもしれません。" |三宅香帆 @m3_myk | 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

stereonina 断定できない気持ちを共有する文章。 とてもSNS的だし、今の気分なんだろうなぁと感じる。 マッチョに断定する文章も嫌いじゃないけど、そればかりだと疲れるよね。 https://t.co/zFiQtTWUeU 2ヶ月前 replyretweetfavorite