毛沢東(中華人民共和国初代国家主席)【第4回】紅い皇帝への道

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。この連載では、世界の独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に反映させたのかを読み解いてゆきます。今月は中華人民共和国初代国家主席の毛沢東。昨今、中国各地で発生した反日デモでも、老若男女のデモ隊が毛沢東の肖像画を掲げている光景が見られました。日中情勢が変化している今だからこそ、読んでほしい連載です。(『独裁者の教養』より)

中華人民共和国が建国されると、毛沢東のいびつなマルクス主義解釈は、教条主義と中国の現状との間に横たわるギャップを止揚(アウフヘーベン)した「毛沢東思想」として神格化された。食いつめ者の農民を率いて遊撃戦を繰り返す山賊のような行動も、「第三世界に適合した革命戦術」として、現在に至るまで世界中の反政府ゲリラのお手本となっている。

だが実際のところ、毛沢東はそうする以外の方法を知らなかった。
彼は50歳を過ぎるまで外国旅行の経験がなく、外国語もほとんどできなかった。海外の書籍はそれなりに読んでいたが、西洋思想を体系的に学ぶ機会を持つことはなかった。

青臭い「洋秀才」たちが中国社会の実情を把握していなかった一方で、彼自身もやはり、正確に共産主義を理解していたとは言い難かったのだ。

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この連載について

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独裁者の教養

安田峰俊

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。しかし、彼らは優れていたからこそ「独裁」を行えたはずです。そこで、この連載では、世界を代表する独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に...もっと読む

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