嫌われる勇気

第二夜 vol.3 青年は戸惑う。「不幸であることが武器になる!?」

「私は学歴が低いから、成功できない」などと言うのは、何も因果関係のない〝見かけの因果律〟にすぎず、本当のところは、「成功できない」のではなく「成功したくない」のだと喝破する哲人。ここから対話のテーマは、「劣等コンプレックス」が持つもう一つの側面である「優越コンプレックス」の話へと進んでいきます。聞き慣れない言葉、「優越コンプレックス」とは、いったい何か? 第二夜の議論も、盛り上がってきました——。

劣等感が反転したとき

青年 それはそうかもしれませんが……。

哲人 さらに、学歴に劣等コンプレックスを抱いて、「わたしは学歴が低いから、成功できない」と考える。逆にいうとこれは、「学歴さえ高ければ、わたしは大きく成功できるのだ」という理屈にもなります。

青年 ううむ、たしかに。

哲人 これは劣等コンプレックスの持つ、もうひとつの側面です。自らの劣等コンプレックスを言葉や態度で表明する人、「AだからBできない」といっている人は、Aさえなければ、わたしは有能であり価値があるのだ、と言外に暗示しているのです。

青年 これさえなければ、自分もできるのだと。

哲人 ええ。劣等感についてアドラーは「劣等感を長く持ち続けることに我慢できる人は誰もいない」と指摘しています。劣等感は誰もが持っているものだけれども、いつまでもその状態を我慢することはできない、それほど重たいものだと。

青年 んん?

哲人 ひとつずつ理解していきましょう。劣等感がある状態、それは現状の「わたし」になにかしらの欠如を感じている状態です。そうなると問題は……。

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嫌われる勇気

岸見一郎 /古賀史健

「世界はどこまでもシンプルであり、人はいまこの瞬間から幸せになれる」――古都のはずれに、そんな持論を語る哲学者が住んでいました。人間関係に苦悩し、人生の意味に悩む「青年」は、到底納得することができず、その真意を確かめるべく哲学者(哲人...もっと読む

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コメント

jump_jump_ |嫌われる勇気|古賀史健 @fumiken /岸見一郎|cakes 不幸自慢の心理状態を語られると、自分のことを言われてるみたいで恥ずかしい。 https://t.co/wv85zR6NJH 5年弱前 replyretweetfavorite

NEeNoo3 言葉責めにされてる感じがむしろ気持ちいいわ(´Д` ) 5年弱前 replyretweetfavorite

tommynovember7 コンプレックス関連のあるあるネタ連発。 5年弱前 replyretweetfavorite

nakazawago 他人を観察してると確かにこの通り。"@kakkyoshifumi: 【" 5年弱前 replyretweetfavorite